専用機はコロナ禍で運航停止継続、方針転換
ANAホールディングス(HD)は1月29日、那覇空港を起点としてアジアの主要都市との間で航空貨物輸送網を展開する「沖縄貨物ハブネットワーク」の在り方を見直すと発表した。
従来は貨物専用機を中心に運用してきたが、今後は旅客便の貨物スペース(ベリー)を活用する形に変更する。
同ネットワークは2009年からANAHDと沖縄県が連携して展開。沖縄振興策の一環にも位置付けられている。貨物の取り扱いは年々増えていたものの、伸びは想定を下回る状態が続いていた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で貨物便の運航を担う外国人パイロットの確保が困難となったことなどから那覇空港を発着する貨物便の運航は全便運休が続き、同ネットワークも機能停止状態に陥っていた。
ANAHDは21年度以降も運休の継続を決定しており、運営体制を抜本的に修正することとした。
ただ、沖縄の農水産品などのニーズは海外でも見込めるほか、コロナ禍でeコマース商品の需要も増えているため、ベリーの有効活用に転換して規模を縮小し同ネットワークを維持することを決めた。旅客便の需要はコロナ禍で激減しているため、ベリー活用で収益をサポートする狙いもあるとみられる。
ベリーは那覇空港を経由する海外の航空会社の便に加え、ANAHD傘下の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの旅客便も活用する考え。那覇空港から日本国内各地への輸送はANAの国内線旅客便を充てる。
併せて、沖縄初貨物の商品の魅力を高めるため、保冷コンテナやサーマルブランケット(外気温や湿度の影響を抑える専用カバー)を使い、保冷を確実にして品質を保つよう努める。
沖縄貨物ハブネットワークの新たな形態(ANAHDプレスリリースより引用・クリックで拡大)
(藤原秀行)
詳細はコチラ(ANAHDウェブサイト)