清水建設がコンクリート工事の手配効率化システムを開発

清水建設がコンクリート工事の手配効率化システムを開発

東京支店の全新築現場に展開へ

清水建設は3月22日、コンクリート工事の手配関連業務を効率化するため、インターネット経由で協力会社とのやり取りが可能な「コンクリート手配システム」を開発したと発表した。

先行運用している建設現場8カ所で動作確認が完了しており、同社は今後着手する東京支店管轄の全新築工事現場に展開していく予定。うまく稼働すれば建設現場関連の物流効率化にもつながりそうだ。


新システムのイメージ(清水建設プレスリリースより引用)

コンクリート工事の際、工事担当者は関連する多くの協力会社を手配する必要がある。その対象は生コンプラントや打設作業を行う土工、土間工、コンクリートポンプ車、品質試験機関と多岐にわたり、プラントへの手配時にはコンクリートの数量や配合も指示する必要がある。

通常は打設予定日の1カ月前に手配を済ませ、打設日前日までに手配状況を再確認。また、悪天候で打設日を変更する場合は各協力会社へタイムリーに手配の変更を通知する必要がある。従来の電話やメールによる手配は工事担当者の負担が大きく、連絡漏れや誤認などのミスが生じることもあった。

新システムで工事担当者の負担や協力会社の手配対応の効率化を図る。システムを導入した現場では、工事担当者はパソコンやタブレット端末などでリアルタイムに協力会社の空き状況を確認し、手配や変更を一括して行える。手配時にはコンクリートの数量と配合、ポンプ車の台数、打設人数などを入力、関連する協力会社に漏れなく手配情報が通知され関係者全員で共有することが可能。さらに、コンクリート打設後は実績集計や支払時の数量査定に使用する帳票も出力できる。

同社の試算では新システムで工事担当者が手配に要していた時間を年間約150時間、20人工近く節減できるとみている。一方、協力会社は清水建設側の工事担当者と円滑に手配情報を共有したり、システムの転送機能で2次協力会社へ正確な手配情報を容易に展開したりできるため、1現場当たりの手配対応が年間約90時間、10人工以上節減できる見通し。同社と協力会社のコンクリート工事関係者が常に端末上で手配状況を確認できるため、手配ミスの削減にもつながると期待している。

同社は東京支店以外にもシステムを積極的に活用、業務の効率化を推進したい考えだ。

(藤原秀行)

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