【独自取材】東京建物、神奈川・綾瀬で2・5万平方メートルのマルチテナント型物流施設に5月着工へ

【独自取材】東京建物、神奈川・綾瀬で2・5万平方メートルのマルチテナント型物流施設に5月着工へ

竣工は22年7月見込む、太陽光発電生かした「環境配慮型」計画

東京建物は神奈川県綾瀬市深谷上の綾瀬工業団地内で、新たなマルチテナント型物流施設「(仮称)T-LOGI綾瀬」に5月着工する予定だ。同社が物流施設開発に参入して以降、着工ベースで4件目のプロジェクトとなる。神奈川県内では2件目だ。竣工は2022年7月を見込んでいる。

地球温暖化対策などESG(環境・社会・企業統治)投資の機運の高まりを受け、東京建物はオフィスビルや商業施設などと同様、物流施設でも「環境配慮型」を志向している。新施設でも太陽光発電の積極展開に加え、余剰電力を東京建物グループ内で有効活用する独自の取り組みを導入する方向だ。


「(仮称)T-LOGI綾瀬」の完成イメージ(以下、いずれも東京建物提供)

地上4階建ての鉄骨造で延べ床面積は2万5068平方メートルを計画。3月31日に開通したばかりの東名高速道路「綾瀬スマートIC」から2・5キロメートルに位置しており、東名道に加えて圏央道や保土ヶ谷バイパスなどの幹線道路を利用すれば都心をはじめ首都圏広域をカバーできる立地。

工業団地内のため24時間稼働が可能で、綾瀬市中心部に近接し、最寄りのバス停(「綾瀬工業団地入口」)から約60メートルと通勤の便も良く、労働人口確保に強みを持つ。

奥行き約13・5メートルのトラックバースを17台分設置するとともに、バース前の車路は幅員にゆとりを持たせ、前面道路に接続する切り下げを敷地北側・西側の2カ所に設けることで、トラック動線に配慮した外構計画を実現する。

2~4階の各フロア倉庫床は5875平方メートルを確保し、垂直搬送機4基、荷物用エレベーター2基の設置を準備。4階には従業員用の休憩室を取り入れるなど、働きやすい環境づくりに注力する。

行政指定の浸水想定区域に該当せず水害に強いエリアに建設し、非常電源設備を設置して専有部の一部にも電力供給を行えるよう備えることでBCP(事業継続計画)ニーズにも目配りする。

さらに、大容量の太陽光パネルを屋上に設け、発電した電力を物流施設内で利用することでZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の認証取得を目指す。加えて余剰電力は東京ガスと連携し、群馬県伊勢崎市で東京建物が所有している商業施設「スマーク伊勢崎」に自己託送することを準備中だ。


周辺図

(藤原秀行)

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