EC需要踏まえた積み合わせ貨物輸送コンテナ新設、ドライバー向けアプリ導入など推進
JR貨物は3月31日、2021年度の事業計画を公表した。
設備投資はトータルで396億円を想定。このうち、成長・戦略投資はトラックドライバー用アプリ導入や新仙台貨物ターミナル駅移転工場・新技術導入などに252億円を充てる。
収支は鉄道事業の営業収益(売上高に相当)が20年度見込み比8・9%増の1470億円、営業利益が損益均衡(20年度見込みは84億円の赤字)、連結営業収益は7・0%増の2013億円、営業利益は約10倍の100億円を想定している。
主要な取り組みとして「事業の強靭化」「ESG(環境・社会・企業統治)経営」「DX(デジタルトランスフォーメーション)・IT化」の3本柱を明記。新たな施策はeコマース需要を踏まえた積み合わせ貨物輸送のコンテナ列車新設、需要が高い大型コンテナの輸送ネットワーク拡充、災害時のリダンタンシー(多重性、運用線区拡大)を目的とした機関車改造(試作車)の試運転実施などを列挙した。
業務の刷新と運営効率化のため、列車編成通知書の作成システムと運転支援システム(PRANETS)を活用した運転士への情報提供(駅作業の省力化)を推進。荷役作業の安全性向上と省力化を図るため、コンテナ持ち込み・持ち出し時間予約機能を備えたトラックドライバー用アプリの全国6駅での試運用を始めることも明示した。
新技術への挑戦として、駅構内でのトラック隊列自動走行の検証試験を実施。総合物流企業への進化を目指し、主要貨物駅での「レールゲート」ブランドの物流施設展開を引き続き検討することもあらためて盛り込んだ。
事業計画の概要(JR貨物資料より引用)
(藤原秀行)