【動画】三菱商事など、茨城・筑西でロボット自動配送のデモ公開

【動画】三菱商事など、茨城・筑西でロボット自動配送のデモ公開

農作物の取り扱い想定、公道使い複数箇所を効率的に回る経路計算へ

茨城県と筑西市は4月2日、三菱商事や三菱地所、東京海上日動火災保険などと連携し、自動配送ロボットを使ったラストワンマイル配送の実証実験のデモをメディアに公開した。

実験は自動配送ロボットが公道を走り、同市内の「道の駅 グランテラス筑西」のテナント店舗が電話で注文を受けた商品を近隣の住宅へ届けたり、周辺の契約農家から農作物を集荷して道の駅まで配送したりする予定。複数の住宅や農家を回る際、効率的な周回ルートを自動的に計算する。

自動運転技術の開発を手掛けるティアフォー、高精度な3次元地図作成を担うアイサンテクノロジー、配送ルート最適化技術を展開しているオプティマインドも協力。4月12、13日に本番を実施するのに先立ち、公道は走行せず、道の駅敷地内で実験を想定した形でデモを実施した。

ロボットはヤマハ発動機の電動車両をベースにしてティアフォーが開発したものを2台活用。1台が公道を経由して道の駅周辺の配送や集荷を、より小型の1台が配送する商品を店舗から集めるなどの業務をそれぞれ担当する。配送や集荷を担うロボットは搭載しているカメラを使い、ロボットの周りを遠隔監視で常に確認、安全を確保する。

配送や集荷を担当するロボットは長さ1・1メートル、幅75センチメートル、高さ1・05メートル。道の駅内で活動するロボットは長さ74センチメートル、幅44センチメートル、高さ60センチメートルをそれぞれ予定している。

この日のデモは、農家の人が道の駅に届けたいちごをロボットに積み込むと自律走行し、道の駅内で活動する小型ロボットのそばに到着すると自動でバック、停止した。スタッフがいちごを小型ロボットに積み替えた後、小型ロボットが自律走行して道の駅敷地内にあるスーパーマーケットに無事届けた。

各社が自動配送ロボットを使ったラストワンマイル配送実験を行うのは昨年12月の岡山県玉野市に続いて2回目。玉野市の実証実験ではあらかじめ配送する順番などを事前に計算していたが、今回は当日受けた注文を基に効率的な配送経路を作成することを想定しており、より実践に近い形を見込む。

政府は昨年7月に閣議決定した「成長戦略実行計画」で、自動配送ロボットの社化実装を目指し、必要な制度設計の基本方針を策定する意向を明示している。各社は人口減少や高齢化が深刻な地方エリアで早期に自動配送ロボットの実用化を目指し、技術開発などを加速させる構えだ。


デモに投入した集荷・配送用ロボット


道の駅内で活動するロボット


(藤原秀行)

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