各種情報組み合わせ、危険性高くなるとアラート発出し事故回避
ウェザーニューズは4月5日、海運業界向けに、世界で初めて陸上の船舶運航管理者などを対象に座礁対策を支援する「NAR(Navigation Assessment & Routeing)サービス」を開発したと発表した。
船舶の航路データと各種気象情報、船舶の位置情報などを組み合わせ、浅瀬や漁船混雑エリアなど危険性の高い区域へ接近を計画または接近・航行した場合や計画航路から逸脱した場合、自動でアラートを通知し、事故回避を後押しする。今年5月に提供を始める予定。国内外の外航海運大手船社を中心に、船主・船舶管理会社に採用を働き掛ける。
海運業界では座礁事故に関し、船員の業務負担増によるヒューマンエラーの発生が事故の一因であると言われており、船舶の動静や航海リスクを監視する陸上の運航管理者が船舶の座礁リスクを把握したいとのニーズが出ている。しかし、現在は陸上から船舶の座礁リスクを把握するシステムは存在せず、多くの船舶からリスクのある船をリアルタイムに検知することが難しく、課題となっているため、新サービスの開発に踏み切った。
今後は台風接近時の強風による走錨リスクや、荒天時の船体動揺リスクなどの通知も追加し、NARを座礁対策だけでなく走錨や動揺など多様な航海リスクにも対応可能にする方針。
併せて、2022年までに温室効果ガスの排出削減など海運の環境貢献を支援するためのさまざまな「環境運航支援サービス」を順次リリースする。今回の座礁対策支援は安全対策だけでなく海洋環境の保護につながるため、環境運航支援サービスの第1弾と位置付けている。
サービス画面のイメージ(座礁リスク区域を通過する可能性がある船を赤く表示)
支援サービスの流れ(以上、いずれもウェザーニューズウェブサイトより引用)
(藤原秀行)