コープあいちで実施、配達員の負荷軽減図る
日本生活協同組合連合会(生協連)は4月13日、2020年の業績報告に関するオンライン会見を開催した。
日本生協連の二村睦子常務執行役員は、全国の主要120の地域生協の供給高(売上高に相当)が20年は前年比11・8%増の3兆683億円、このうち宅配は14・9%増の2兆1170億円に達したと説明。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり消費の拡大で宅配が大きく伸び、「客単価と利用人数はともに高止まりが続いている」と指摘。今後は急成長の反動で前年比はマイナスになると見込まれるものの、需要自体は引き続き堅調に続くと予想した。
併せて、日本生協連が今年2月に発表した、宅配などに関してDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、コープ東北サンネット事業連合、コープデリ連合会、東海コープ事業連合と共同で「DX-CO・OPプロジェクト」を展開していることにあらためて言及。組合員の利便性向上と職員の働き方改善を同時に進めていきたいとの考えを強調した。
また、新たな取り組みとして、今年5~6月ごろをめどに、AI(人工知能)を活用した配送ルート最適化サービス「Loogia(ルージア)」を手掛けているスタートアップ企業のオプティマインドの協力を得て、コープあいちで配達コースを最適化するシステムの実証実験を開始、効率的な配達を行えるようにすることも報告した。
二村氏は同プロジェクトの具体的施策として、組合員がレシピごとに注文できるようにしたり、世帯ごとではなく個人ごとのID管理で個々の人の好みに即した商品提案などができるようにしたりすることを列挙。
宅配については、配達担当者の負荷を減らすため、「デジタルコンシェルジュサービス」を導入、必要なデータをウエアラブル端末で共有したり、オートロックマンションで組合員が不在の場合も事前承認を得ていればスマートフォンからエントランスドアを開錠できるようにしたり、商品の配達用に従来のコンテナや発泡スチロールに代わって折り畳み式の配達ボックスを取り入れたりしていることに触れた。
同プロジェクトは3つの連合会が先行して施策を進め、成果が確認できたものから日本生協連を通じて全国の生協に順次導入していく計画。
(藤原秀行)