日本郵政傘下のトール、不採算のエクスプレス事業を豪投資ファンドに売却で最終調整

日本郵政傘下のトール、不採算のエクスプレス事業を豪投資ファンドに売却で最終調整

特損700億円計上へ、フォワーディングなど注力し再建目指す

日本郵政が、傘下でオーストラリアの国際物流大手トールホールディングスが手掛けるエクスプレス事業を、オーストラリアの投資ファンドに売却する方向で最終調整に入ったことが分かった。

売却額は10億円程度になるもようで、売却が成立すれば日本郵政は2022年3月期に特別損失約700億円を計上する見通し。近く正式発表するとみられる。

日本郵政は15年、国際物流強化のためトールを約6200億円で買収したが、業績の不振が続き、17年3月期には約4000億円の損失を計上した。エクスプレス事業はトールがオーストラリアやニュージーランドに構えている物流ネットワークを活用し、陸送や海上輸送、航空貨物などを展開。20年4~12月期の営業損益(EBIT)は8300万豪ドル(約60億円)の赤字にとどまった。

日本郵政は不採算のエクスプレス事業を切り離し、トールの損失を実質的に肩代わりしてフォワーディングやロジスティクスの事業に注力、業績回復を目指す方針。

(藤原秀行)

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