6月末竣工予定、圏央道ICから1キロメートルと近接
ESRは6月2日、神奈川県茅ヶ崎市で開発を進めているマルチテナント型物流施設「ESR茅ヶ崎ディストリビューションセンター(DC)」をメディアなどに公開した。この日の内覧には同市の佐藤光市長、市議会の加藤大嗣議長と岩田はるみ副議長ら市の要人と関係者も参加した。
S造の地上4階建て、延べ床面積は6万9314平方メートル、賃貸面積は6万6333平方メートル。6月末の竣工を見込む。最大6テナントに分割可能な設計を採用している。災害発生時の避難場所としても活用することを想定している。
施設の外観
施設内で撮影に応じるギブソン代表取締役と佐藤市長
区画整理事業に参加して物流施設を整備しており、準工業地域で24時間オペレーションが可能。1階と3階にトラックバースを設け、3階まで直接アクセスできるスロープを設置している。柱スパンは通常より広い間口11・0メートル×奥行き11・24メートルを確保するなど、多様なオペレーションのニーズへ柔軟に対応できるよう腐心している。
圏央道の寒川南ICから約1キロメートルと至近で、新東名高速道路の厚木南ICまで約8キロメートル。首都圏を広範囲にカバーできる立地となっている。羽田空港へは約50キロメートル、東京都心まで約55キロメートル、横浜港までは約35キロメートル。
ヒートポンプ式空調や全熱交換器、節水器具など省エネの設備機器を積極的に採用。BCP(事業継続計画)対策として、非常用自家発電機で停電時も防災センターや一部の荷物エレベーターと電動シャッター、トイレが使えるよう配慮している。働きやすい環境確保のため、4階には休憩室を備えている。
4階の庫内
3階まで直接アクセス可能なスロープ
3階のトラックバース
圏央道ICに近接
ESRのスチュワート・ギブソン代表取締役は、開発に対する市側の協力に謝意を述べた上で、「センターの従業員にとって快適で安全な環境を提供し、近隣の皆様にとっても緊急災害時には避難場所としてお役に立てる施設になると確信している」とあいさつ。雇用や防災などの面で地域に貢献していきたいとの姿勢をアピールした。
佐藤市長は「新型コロナウイルスの感染拡大でインターネット通販の利用が広がり、宅配事業の重要性が高まっている。開発プロジェクトが成功すると信じている」と語った。
現在はテナントを募集中という。ギブソン氏は複数の企業から既に問い合わせが来ていることに言及し「年内には入居企業が確定すると期待している」と早期の満床稼働へ意欲を示すとともに、都市型施設の機能をEC事業者らが最大限活用できるようサポートする考えを示した。
(藤原秀行)