コロナ禍受けた航空運送事業の基盤強化へ着陸料など1200億円規模で減免

コロナ禍受けた航空運送事業の基盤強化へ着陸料など1200億円規模で減免

国交省が改正航空法に基づく支援方針公表、カーボンニュートラル後押しも

国土交通省は6月22日、今年の通常国会で可決、成立した改正航空法に基づき、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅客需要激減で経営が苦境に陥っている航空業界を支援する方針を盛り込んだ「航空運送事業基盤強化方針」を公表した。

改正航空法は、航空ネットワークを維持・確保できるようにするため、国が航空業界を支援する制度の創設を盛り込んでおり、その前段として支援策の方向性を基盤強化方針で示すことを定めている。

同方針では、航空業界の安定的な輸送と雇用の確保を図る必要性を明示。事業基盤強化に向け、着陸料や航空機燃料税などで1200億円規模の減免を実施するとともに、日本政策投資銀行(DBJ)などの危機対応融資を活用することや、政府の雇用調整助成金などを利用することを打ち出している。

また、コスト削減を後押しするため、乗員・整備分野での安全に関する手続きの合理化、飛行経路の短縮などによる消費燃料削減を図るほか、航空業界でも実施を求められている「カーボンニュートラル」(温室効果ガス排出抑制)への対応などとして、機材・装備品への新技術導入、環境負荷が低い燃料の導入促進なども盛り込んでいる。

併せて、空港の機能確保のため、空港整備事業に対する無利子貸し付けや運営権対価の支払い猶予などを実施すべきだと明示。同時に、航空会社に対しても、コスト改革や資金繰り確保などを図るよう要請している。

(藤原秀行)

強化方針はコチラコチラから(国交省ホームページ)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事