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【独自取材,動画】キヤノンITSがAI活用の産業向け高精度画像処理を市場投入へ

【独自取材,動画】キヤノンITSがAI活用の産業向け高精度画像処理を市場投入へ

工場や物流センターでの検査・検品作業に照準

 キヤノンITソリューションズが産業向けの画像処理ソリューションを市場投入すべく準備を進めている。

 同社の画像処理技術と人工知能(AI)などを組み合わせて高精度なモニタリングソリューションを開発。製造拠点や物流センターの品質管理、検査・検品作業といった人手に依存している工程を自動化・省人化することで課題解決と効率化に貢献していきたい考えだ。

 11月14~16日にかけてパシフィコ横浜で行われた「ET & IoT Technology 2018」では、参考出展した「組込みAI・GPUマシンビジョンシステム」を用いて硬貨の自動分類、金属部品の表面についた傷検査でデモンストレーションを行った。

 硬貨の自動分類は日本円の硬貨を回転ボードにランダム配置し、キヤノンが現在試作中の「PCレスでAI・マシンビジョンエッジ処理可能なビジョンシステム(AI powered vision system)」で撮像して判別する。これには500万画素のグローバルシャッターセンサーが搭載されており、動いている物体でも制止させずに識別できる。

 また、硬貨は不特定多数の人が触れているほか、造幣から数十年が経過していることも少なくない。汚れや傷などによる劣化から開発段階では画像処理のみによる認識率はあまり良くなかったという。そこでAIを用いてディープラーニングで学習させて認識率の向上を図った。

 金属部品の傷検査では形の異なるパーツを混在させ、その中からある特定の部品のみを検査対象と設定。高速回転するボード上の部品を画像処理で傷の有無を判定する。ただ表面が反射する部材・素材の傷は画像処理では捉えにくく容易ではなかった。そこで同社は独自のアルゴリズムを開発して制約をクリアした。現在アルゴリズムは特許を出願中だ。(動画参照)


「組込みAI・GPUマシンビジョンシステム」概要※クリックで拡大

作業現場が抱えるボトルネック解消に寄与

 同社インダストリーシステム事業部の担当者は「最近引き合いの多いのが製造現場での自動化。これまで検査は熟練作業員が目視でチェックしていたが、高齢化や定年退職などで人材の数・スキルともに低下が懸念されている。目視検査は身体的負荷が高い上、物によってはベテラン作業員が手で触らなければ分からないような難易度の高いケースもある。こうしたボトルネックを当社のソリューションでカバーすることができれば」と活用シーンを展望する。

 同システムは異なる製品が日々大量に入出荷される物流センターなどでも活用できると見込んでいる。シールやバーコードなどの読み取り、製品の取り違え、汚破損などを画像認識によって高精度かつ高速に処理できれば、人手不足の解消に加えて生産性向上にもつながり得るだろう。

 前出の担当者は「FA分野を中心に新しいセクターへの展開を図りながら、引き続きお客さまとトライアルを重ねて、課題・問題の解決に貢献していきたい」と意欲を見せている。

(鳥羽俊一)

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