ホバリング時、30秒間ほぼ途切れず実施
筑波大は7月7日、世界で初めて、飛行中のドローンにワイヤレスで給電する実験に成功したと発表した。
5Gマイクロ波(28ギガヘルツ)を使い、飛行高度80センチメートルでホバリングするドローンに、30秒間にわたってほぼ途切れることなくマイクロ波を送受電。既存研究のおよそ10倍に達する極めて高い周波数でワイヤレス給電が可能なことを示した。
同大は「この給電技術を用いると、現状では航空モビリティー重量の大半を占めている燃料(バッテリー)の割合を限りなく小さくすることができる。荷物や人員を運べるスペースを拡張するとともに、燃料切れを心配せずに飛行することが可能となる」と説明している。実用化できれば物流へのドローン適用に弾みが付きそうだ。
ただ、現在の技術では送電電力が小さく、ドローンの駆動に要するだけのパワーをマイクロ波だけで十分給電するのは困難という。同大は今後、ワイヤレス給電効率の向上と送電の長距離化、大電力化を目指す。
(藤原秀行)