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【独自取材】JPRのAI活用した異業種共同輸送マッチング、10月開始へ

【独自取材】JPRのAI活用した異業種共同輸送マッチング、10月開始へ

モーダルシフト要望など条件踏まえ候補先を自動選定

日本パレットレンタル(JPR)は今年10月、AIを活用して異業種間の共同輸送をマッチングするサービスを開始する予定だ。

荷主企業や物流事業者などが自社の輸送ルートをJPRのシステムに登録しておくと、AIが条件に適した共同輸送相手の候補を自動的に探し出し、双方が合意すれば担当者間で実際の交渉に入るとの流れを想定している。昨年からトライアルを行っており、これまでに50社以上が名乗りを挙げている。

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JPRはこれまでにも、パレットレンタルのユーザー同士による幹線輸送の共同化を後押ししてきた。慢性的なトラックドライバー不足の影響で共同物流の重要性が一段と高まっているのを受け、よりシステマティックに、幅広い業界を対象として迅速にマッチングできる体制の構築に踏み出すことにした。普段関係を築くのが難しい異業種間を取り持つことに大きな意義があると感じている。

JPRはサービス普及を通じて物流業界の業務効率化に貢献するとともに、脱炭素化の流れを踏まえ、無駄な輸送の削減も後押ししたい考えだ。


AIマッチングサービスの概要(JPRプレスリリースより引用)

正式開始まで3~4カ月を想定

AIは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に参加し、群馬大および明治大との産学共同研究で開発してきたものをベースに活用。帰り便を見つけたい場合と、混載便を走らせたい場合の2パターンに対応することを予定している。

荷主企業に加えて、製造業などから一定量の荷物を定期便で請け負っている運送会社や倉庫会社もサービスの提供対象にする方向だ。共同輸送に関しては往路と復路だけでなく、3点間の輸送など多様なパターンに対応しようと準備を進めている。

JPR事業企画部の渡邉安彦輸送マッチング推進グループ長は「トライアル参加に名乗りを挙げられた業種は加工食品、日用品、飲料のほかに農産物、電子部品、化学品、建材資材、自動車部品、文具、紙パルプ、廃材回収などバラエティーに富んでいる」と明かす。その期待度は高いようだ。

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マッチングする際の条件は、現状では発着地や車型、車種、運賃、商品のカテゴリー、温度帯、年間の出荷便数、納品時間など20項目程度を予定。鉄道や船舶へのモーダルシフト希望にも対応できるようにする。共同輸送する前後でCO2排出量がどう変化するかも試算を表示することを検討しており、10月までに詳細を詰める。

マッチングサービスを使うと、AIが選んだ候補先が承諾すれば、双方の担当者が初めて顔合わせに挑み、実際に積載する荷物の種類や量、運行スケジュールなどを調整。合意に至ればテスト走行を経て正式に共同輸送をスタートする予定。この間、トータルで3~4カ月程度を見込んでおり、候補先が承諾して交渉に入る際にマッチング手数料、正式に共同輸送を始めたら運賃の手数料をそれぞれ支払うイメージだ。

トライアルを通じて、1万以上の輸送ルートがデータとして蓄積されており、サービス開始への布石が着々と打たれている。渡邉氏は「長距離だけにとどまらず、実は同一県内の輸送ルートで共同化を望まれるケースもあり、ニーズは多様と感じている」と話す。トライアル中の実績や要望、課題を踏まえ、マッチングの希望条件の検討を続ける予定。

(藤原秀行)

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