CRE調査、水準自体は依然低く
シーアールイー(CRE)は7月29日、賃貸倉庫の市場動向を分析した「倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.202106」を公表した。
今年6月末時点の賃貸大型倉庫(1万平方メートル以上、BTS型含む)は首都圏で空室率が前期(1~3月)末から0・72ポイント上昇し1・27%だった。1%台に達したのは2019年12月末以来、1年半ぶり。
同社が調査を開始して以来、過去3番目の規模となる約20万坪の大量供給があった影響で空きスペースが2倍に広がったものの、水準自体はいまだ低い。
21年の暦年ベースでは約81・3万坪の新規供給が計画されているが、第3四半期(7~9月)の約23・8万坪のうち7割弱で入居テナントが内定しているという。同社は「直近は3%以下で推移すると推察するが、第4四半期(10~12月)に竣工する大型物件の内定動向に早い時期から注視する」と説明している。
関西圏は過去3番目の大量供給も空室率低下
関西圏の空室率は前期から0・38ポイント低下し2・19%。新規物件への需要は調査開始以来3番目に多い約9万坪を記録した一方、新規供給も約10・4万坪と大量だったため、1割強の未消化が生じたという。既存物件は需要が供給を上回り約2万坪、空きスペースの消化が進んだ。
第3四半期は約7・8万坪の新規供給が計画されているが、9割強のスペースで入居企業が内定しており、需要は旺盛。
中部圏の空室率は1・69ポイント下がって5・87%、九州圏は9四半期連続で0・00%だった。1000坪未満(CRE管理分のみ)の賃貸中小型倉庫は、空室率は前期から0・13ポイント上昇の1・11%。
調査対象となった大型施設は首都圏が443棟、関西圏が119棟、中部圏が30棟、九州圏が32棟、中小型倉庫は首都圏で958棟だった。
(藤原秀行)