3カ月固定から在庫状況など踏まえた毎日更新に変更目指す
ローソンとオプティマインドは8月6日、AIを使った店舗配送ダイヤの最適化に関する実証実験を始めると発表した。
現在は3カ月間固定している店舗配送のダイヤを、当日の各店舗の在庫状況や発注数量を基に、オプティマインドが手掛けているAIを活用した配送ルート最適化サービス「Loogia(ルージア)」で毎日最適なダイヤに組み替え、日々の物量変化に合わせた配送体制を構築。物流効率を極限まで高めることを目指す。
オプティマインドのLoogiaと配送員のスマートフォン端末から約3カ月間(20年11月〜21年1月)にわたって取得したGPSデータの解析結果を基に、群馬県前橋市の物流センターから群馬・埼玉・栃木県内の約440店舗への配送ダイヤ最適化を実施。従来は48台の車両で行ってきた配送を約1割減の44台でこなせることを確認した。CO2も年間約100トン減らせる見通しという。
この結果を受け、ローソンは10月からまずLoogiaを用いて作成した3カ月間固定の配送ダイヤで実際に配送を行い、効果を見極める。今後は他の物流センターにも順次、AIを使った配送ダイヤ作成を広げていく予定。
その次の段階として2023年度中に当日の各店舗の在庫状況などを踏まえて、毎日ダイヤを作成する方式に切り替え、低温・常温・冷凍の配送を実施する計画。シミュレーションの結果、配送台数を約15%、CO2排出量を約17%減らせる見通しが示された。
ローソンは店舗配送ダイヤグラムが毎日変更となることに伴う店舗の負荷軽減策として、バックヤードへの納品専用エリアの設置、納品時間枠の設定、在庫状況も加味した店舗ごとの納品優先度の反映なども併せて検討する。
(藤原秀行)※ロゴマークはオプティマインド提供