弁当配食を実施、今後は人材活用効率化モデルも検討
セイノーホールディングス(HD)とエアロネクスト、子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンの4社は11月20日、広島県の神石高原町と、次世代高度技術の活用により新しい物流サービスの構築を目指した「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を11月17日に実施したと発表した。
セイノーHDとエアロネクストが開発を推進している、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の社会実装の検討に向けて行われた。
実証実験では、油木地区に仮設のドローンデポ(商品の一時保管・出荷拠点)を設置し、ドローン配送を活用した弁当配食サービスを実施した。今後は防災・災害発生時に備えて町が育成したドローンパイロットとの連携を模索し、平時から活躍できる機会を創造する人材活用効率化のモデルについても検討する。
使用したドローンを前に集合写真
弁当を配送するため着陸する物流専用ドローンAirTruck (小野社会教育施設(旧小野小))
ドローン配送で小野社会教育施設(旧小野小)まで届けられたお弁当 (小野社会教育施設(旧小野小))
エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckを採用し、機体の制御にはKDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用した。
シルトピア油木から小野社会教育施設(旧小野小)までの片道約6.5㎞を約15分で、ドローン配送を完了。フードデリバリーを想定した弁当を受け取った住民は「短時間で届いて驚いた。お弁当は崩れていないし、温かいまま。運転免許を返納して車の運転ができなくなったら、こういうサービスは必要。ぜひ今後実用化に向けて進めて欲しい」とコメントしている。
(藤原秀行)※いずれも4社提供