コロナなどで混乱の影響か、ASEAN好調で全体は10・6%増
米調査機関デカルト・データマインが8月13日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、7月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比10・6%増の171万8641TEU(20フィートコンテナ換算)だった。
前年実績を上回ったのは13カ月連続となり、7月単月の実績としては過去最多を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大による貿易不振からの脱却、復調傾向が持続している。
7月の実績を10カ国・地域別に見ると、トップの中国は0・5%増の98万136TEUで、14カ月連続のプラス。ただ、伸び率は6月(18・3%)から急激に縮小し、新型コロナウイルスの感染発生などによる港湾の混乱が影響していることをうかがわせた。
中国主要5大港からの7月の米国向け荷動きを見ると、首位の上海は8・0%増の28万2181TEUだったが、2位の寧波は1・6%減の19万3938TEU、3位の塩田は38・5%減の17万1529TEU、4位の厦門は35・9%増の11万914TEU、5位の青島は11・1%減の5万5403TEUと強弱が分かれた。5大港のトータルでは9・6%減の81万3964TEUにとどまった。
2位のベトナムは36・9%増の16万4135TEU、3位の韓国は12・5%増の16万3744TEU、4位の台湾は20・3%増の9万61727TEUなど、全10カ国・地域が前年実績を上回った。ASEAN(東南アジア諸国連合)エリアなどの伸びが中国の急減速をカバーした格好だ。日本は18・8%増え3万9482TEUだった。
品目別の実績は、トップの家具類が7・3%減の26万3311TEU、機械類が14・0%減の14万201TEU、電子電機が16・5%減の12万616TEなど、上位5品目まで前年実績を割り込んだ。しかし、自動車関連が15・5%増の7万4969TEU、ゴム製品(タイヤ)が26・3%増の5万8888TEUなどと好調、全体を押し上げた。
一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の6月分は1・2%減の45万4672TEUで、4カ月ぶりのマイナスだった。中国向けは25・2%減の13万4045TEU、日本向けは3・8%増の5万4521TEUなどとなった。
アジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量の推移(デカルト・データマイン資料より引用)
(藤原秀行)