H2Oが関西スーパー買収を正式発表、事業規模拡大や物流効率化など目指す★詳報

H2Oが関西スーパー買収を正式発表、事業規模拡大や物流効率化など目指す★詳報

イズミヤ、阪急オアシスと経営統合へ

エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと関西を地盤とする食品スーパーの関西スーパーマーケットは8月31日、H2Oが関西スーパーを買収する方針を正式発表した。

H2O完全子会社のイズミヤ、阪急オアシスの2社と関西スーパーが経営統合し、H2Oの傘下に収まる形を取る。統合完了は2022年2月1日を予定している。食品スーパー3社の直近の売上高は単純な合算で約3700億円に達し、全国で10位程度にランクインするとみられる。

関西スーパーは1959年7月設立で、21年3月期の連結売上高は1289億円。H2Oと関西スーパーは16年10月に資本・業務提携契約を締結。H2Oが関西スーパー株の約10%を持つ筆頭株主となり、商品の取り扱いやポイントの共通化などに取り組んできた。

H2Oは傘下の百貨店大手、阪急阪神百貨店の経営環境が新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で厳しいため、食品スーパーの強化を目指している。従来の提携関係からより踏み込み、関西スーパーをグループに取り込んで事業規模拡大、商品調達や物流、店舗運営の効率化を図る。統合後も関西スーパーは東京証券取引所1部への上場を維持する見通し。

まず21年12月1日付で株式交換を実施し、H2Oが関西スーパー株の58%を保有、子会社化するとともに、その傘下にイズミヤ、阪急オアシスと関西スーパーの事業を承継する会社の3社が収まる形態に移行。

その後、22年2月1日付で関西スーパーが中間持ち株会社となり、スーパー事業は承継会社が引き継ぎ、中間持ち株会社の下にイズミヤ、阪急オアシス、新しい関西スーパーの3社が並び、経営統合を完了する予定。食品スーパー3社の店舗は合計で240を超え、関西エリアではトップクラスの規模になるとみられる。

関西スーパーに関しては首都圏で食品スーパーを運営するオーケー(横浜市)も株式の約7%を保有しており(今年3月末時点)、H2Oの動きにどう反応するかが注目される。

H2Oは7月、関西地方を地盤に食品スーパーを展開している万代(大阪府東大阪市)と包括業務提携に関する基本合意書を締結するなど、食品スーパー事業の拡大を急いでいる。


現在(上)と経営統合完了後の体制(H2Oリテイリングプレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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