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「量子インスパイアード技術」を自動車専用船の積み付け計画作成に導入、年間4000時間削減可能に

「量子インスパイアード技術」を自動車専用船の積み付け計画作成に導入、年間4000時間削減可能に

日本郵船と富士通、22年4月の本格運用開始目指す

日本郵船と富士通は9月2日、自動車の積載台数や車種、寄港数などの条件によって膨大な積み付けパターンが存在する自動車専用船の積み付け計画作成業務の一部を自動化するため、膨大な組み合わせの中から高速で最適なものを導き出す富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を導入、9月1日から実業務でトライアル運用を開始したと発表した。

(注)量子インスパイアード技術:量子効果そのものは利用していないが、量子技術に着想を得た複数の高速化技術。


日本郵船のLNG燃料自動車専用船「SAKURA LEADER」

日本郵船と富士通は「デジタルアニーラ」によって、日本郵船が長年にわたって蓄積してきた自動車専用船での積み付けに関するプランナーのノウハウをアルゴリズム化。これまで専門のプランナーが1隻当たり最大約6時間をかけて作成していた自動車専用船の積み付け計画作成業務を2・5時間に短縮することを実現した。年間4000時間もの労働時間削減のほか、急な計画変更への迅速な対応や、経験値や技量によるプランナーごとの積み付け計画の品質のばらつき防止などを実現する。


システム概要図

両社は今後、トライアル運用の中でさらなる処理の高速化や出力結果の精度向上などシステムのレベルアップを進め、2022年4月に本格運用の開始を目指す。荷役効率や本船の運航効率の向上を実現し、ソフトウエアイノベーションの側面から自動車輸送事業における温室効果ガスの排出の最小化につなげたい考え。

日本郵船は1隻の自動車専用船に数千台もの自動車を積載して日本と世界各地を結び、グローバルな自動車輸送事業を展開している。自動車専用船の船内では、自動車を1台ずつ決められた間隔で、あらかじめ作成された積み付け計画に沿って積載する。例えば、最大積載数約7000台・フロア数12階の自動車専用船が、10数カ所の港に寄港しながら車高や車幅が異なる60種類以上の車両の積み降ろしを行う場合、車両の積み付け方の候補の数は、総当たりで計算すると10の2000乗通り以上にもなる。

そうした膨大なパターンの中から、船の最大積載量に近い積載率で車両を積み込むことや、積み降ろし作業時に安全に作業できる船内スペースを確保することなどの制約条件を満たした積み付け計画を作成することは非常に複雑な作業だ。

従来は、専門のプランナーが経験を重ねながら、積み付けのパターンや配列法を習得して積み付け計画を作成していたが、プランナーごとの経験値や技量により積み付け計画の品質に個人差が生じ、計画作成時間も膨大になる上、急な状況の変化による積み付け計画の変更に多くの業務負荷が生じるなどの問題が山積。解決が長年の課題となっていた。

この課題の解決のため、日本郵船は富士通の「デジタルアニーラ」に着目し、積み付け計画作成業務に導入した。


自動車専用船の概観

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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