ラクスルの「ハコベル」と連携、求貨求車など提供
三菱商事は、物流業界向けの新サービスとして、デジタル技術を駆使して輸配送効率化を支援する「enTra(エントラ)」の概要を公開した。
10月13~15日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催されている物流の大規模展示会「国際物流総合展2021 第2回INNOVATION EXPO」に出展した。
enTraはラクスルが手掛けている、荷物とトラックのマッチングサービスや配車管理システムなどの「ハコベル」事業と連携して展開。求貨求車のオンライン配車、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式で提供する配車管理システム、独自のデジタル配送プラットフォームの3種類で構成している。
オンライン配車はenTraの委託先運送会社のトラックと、荷主側の運びたい荷物をマッチングする。登録料や利用料は無料。
配車管理システムは月額料金制で利用可能にし、導入のハードルを下げる。協力運送会社や自社内の営業所とも直接連携、車をやり取りできるようにする。
デジタル配送プラットフォームは、顧客向けに求貨求車と配車管理を組み合わせた独自の配送管理サービスを構築。顧客自身がそのプラットフォームを他の企業に公開、使ってもらうことも可能にする。インターネットを介して必要な時にプラットフォームを利用できる「PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)」の形式を想定している。
三菱商事は配車手配の業務時間が30%短縮できるなどの効果を見込んでいる。併せて、輸配送全体を可視化することで無駄をあぶり出し、コスト削減につなげられるとみている。
同社は物流領域の深刻な人手不足などの課題解決に注力。既に倉庫の空きスペースと預けたい荷物を専用のウェブサイト経由でマッチングするシェアリング型の倉庫寄託サービス「Ware(ウェア)X」、物流ロボットを従量課金制でレンタルし、システム構築なども包括的にサポートするサービス「Roboware(ロボウェア)」を提供している。輸配送の領域もカバーし、サプライチェーンの広範囲で効率化や自動化を後押ししていきたい考えだ。
展示会の三菱商事ブースとenTraのロゴマーク
(藤原秀行)