22年9月めどに200億円規模でスタート想定、建設や不動産など地元20社程度が参加検討
北海道の有力企業や金融機関が、投資対象を道内の物件に特化した不動産投資信託(REIT=リート)「北海道リート投資法人(仮称)」を、2022年9月をめどに創設する方向で準備を進めていることが分かった。機関投資家らが投資する非上場の私募リートとなる見通し。
今年10月、投資法人の設立に向けた協議会が発足した。協議会は投資法人に先立ち、22年4月に資産運用会社を設立することを計画しており、当初は200億円規模で運用を始める想定。
投資対象はオフィスビルや商業施設、物流施設、ホテルなど幅広いアセットとする見通し。資産運用会社には道内の20社程度が出資することを検討している。参加予定の詳細な企業名は現時点で不明だが、建設業や不動産業などが名を連ねているという。
東京証券取引所に上場しているJリートでは、福岡や東海道の不動産に投資対象を絞り込んでいる銘柄がある。北海道を対象としたリートは初めて。北海道リートへの参加を検討している企業は道内の不動産開発の受け皿を作ることで、老朽化したオフィスビルなどの建て替えを促進したいとの思惑があるとみられる。
ただ、道内で収益性の高い物件は数が限られているだけに、北海道リートの運用開始に際しては、より慎重な投資戦略の立案が求められる。
(藤原秀行)