最先端技術取り入れ実用化に貢献、周辺住民らへアピールも
日本GLPは、神奈川県相模原市で進めている、特定エリアで先進的な機能を持つ大規模物流施設を複数開発するプロジェクト「ALFALINK(アルファリンク)相模原」で、先端技術を導入、来場者や周辺住民らへ積極的にアピールする計画だ。
ALFALINKは施設全体を貫くコンセプトの1つに、最先端技術を取り入れて新たな価値創造を目指す「OpenHub(オープンハブ)」を掲げている。ロボットや自動運転を展開し、実用化に貢献していくとともに、周辺住民らへ情報を発信、社会的な理解を深めていきたい考えだ。新技術を展開する拠点とすることでALFALINK自体の存在価値向上も念頭に置いている。
同社は11月9日、敷地内に設置した共用棟「リング」内に出店しているファミリーマートの店舗で、バックヤードで飲料補充業務を24時間体制で実施できるAI搭載の新型ロボット「TX SCARA(スカラ)」を稼働させると発表した。
ロボットはスタートアップ企業のTelexistenge(テレイグジスタンス)が開発。独自のAIシステム「Gordon(ゴードン)」を搭載しており、店舗の冷蔵ケース内に収めている商品の充足状況や陳列すべき場所などを自動で把握、ロボットを制御する。飲料の陳列にロボットが失敗した場合は、遠隔操作で人が陳列に再トライする。商品の販売データを分析し、時間帯や季節に応じた最適な陳列を目指す。
ファミマとTelexistenceは飲料陳列業務を自動化することで、店舗スタッフの作業負荷軽減を図る。店舗の省人化やオペレーションの変革につなげていく構想だ。
日本GLPは11月10日には、自動運転技術開発のティアフォー、損害保険ジャパン、高精度デジタル地図作成のアイサンテクノロジーと組み、ALFALINK相模原の敷地内で小型EV(電気自動車)バスの自動運転の走行テストを11月12日に始めることも公表した。期間は2022年3月末まで。
タジマ製の10人乗り車両を活用し、敷地内を巡回して物流施設の従業員を運ぶ予定。4社はテストの成果を踏まえ、サービス開始の時期などを詰める。
自動運転のイメージ(日本GLPなど提供)
(藤原秀行)