「レンジャーGTP」9台と移動棚200基でスタート、業務効率化目指す
三菱商事は12月8日、月額制倉庫ロボットサービス「Roboware(ロボウェア)」に関し、日本梱包運輸倉庫が導入したと発表した。
同社が三重県鈴鹿市に構えている物流拠点「鈴鹿センター営業所」で二輪車用品や部品などの入出荷業務に採用。11月にロボットの稼働を始めており、当初は同サービスで扱っているインド発祥のロボットベンチャーGreyOrange(グレイオレンジ)製の「Ranger(レンジャー) GTP」(旧名Butler=バトラー=)を9台と商品を納める専用棚200基でスタートした。同日、現地で導入安全祈願式典を開催した。
レンジャーGTPは商品を納めた専用棚の下に潜り込んで持ち上げ、入出荷担当の作業員が待つエリアまで運ぶタイプ。作業員が庫内を歩き回る必要がなくなり、業務の負荷軽減にもつながると期待されている。
今年4月に開始したロボウェアは物流施設内のピッキング作業などを手助けするロボットを月額料金の従量課金制で貸し出す「Robot As A Service(RaaS)」の形態を採用。ユーザーが取り扱う荷物量の増減に応じて適切な台数を使えるようにし、コストを抑えることでよりロボットを使いやすくすることを主眼に置いている。ロボットの運用管理には三菱商事が独自に開発したソフトウエアを活用し、既存のWMS(倉庫管理システム)と連携することで、ロボウェアを使う顧客側のシステム改修を最小限にとどめられるのもメリット。
三菱商事はロボウェア普及を目指し、21年1月末までに発注した顧客を対象に、初期費用と月額費用を特別価格で提供するキャンペーンを実施している。ロボウェアで取り扱っているレンジャーGTPと、新たにラインアップへ追加した中国の新興ロボットメーカー、シリウスロボティクス製の自律走行型ロボット(AMR)「FlexComet(フレックスコメット)」の両方が対象となる。
「鈴鹿センター営業所」(以下、いずれも三菱商事提供・クリックで拡大)
(藤原秀行)