“オフィスビル回帰”鮮明に
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が12月2日公表した国内の不動産投資額調査結果によると、今年1~9月は前年同期比9%減の3兆1473億円だった。
ただ、第3四半期(7~9月)では56%増の1兆3001億円に達した。大型オフィスビルの取引が相次いだことが全体の数値を押し上げた。
不動産の種類別投資額の割合で見ると、1~9月はオフィスビルへの投資が52%で、2020年通年の32%から大きく伸びた。半面、物流施設は13%にとどまり、20年通年の31%から大幅に縮小した。不動産投資の“オフィスビル回帰”が鮮明となった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務やリモートワークの増加などでオフィスビルへの投資が手控えられたものの、コロナ禍で業績が悪化した企業がオフィスビルを売却したり、新規感染者数減少でオフィスビルが再び注目を集めたりしていることが背景にあるとみられる。相対的に物流施設の比率が下がったもようだ。
(藤原秀行)