日本GLP、収容能力5.3万tと国内最大級の賃貸型全館冷凍・冷蔵物流施設を神戸で開発へ

日本GLP、収容能力5.3万tと国内最大級の賃貸型全館冷凍・冷蔵物流施設を神戸で開発へ

港湾設備に近接、24年11月末竣工見込む

日本GLPは3月23日、神戸市で国内最大級の全館冷凍・冷蔵および全館可変温度帯仕様のマルチテナント型物流施設「GLP神戸住吉浜」を開発すると発表した。

延床面積は約4万5000㎡、収容能力は5万2660tを計画。今年5月に着工し、竣工は2024年11月末を見込む。


「GLP神戸住吉浜」完成イメージ

冷凍食品業界は生活様式の変化などを受けて物量が伸長しているが、冷凍・冷蔵物流施設は多額の設備投資を要することや、消費地に近接した最適地が少ないことなどが課題となっている。また、常温のマルチテナント型物流施設の一角に冷凍・冷蔵設備を入れる場合、十分な仕様を満たせなかったり、テナント負担による後工事の場合は退去時に原状回復工事が必要となったりすることがネックだった。

日本GLPは冷凍・冷蔵の専門チームを立ち上げ、部門を横断して知見を集約。現在までに24棟(うち3温度帯は約65万㎡、冷凍・冷蔵は約22万㎡)の冷凍・冷蔵物流施設を手掛けてきた。うち8棟は日本GLPが冷凍・冷蔵設備を設置した。

これまでの経験を踏まえ、冷凍・冷蔵倉庫の賃貸ニーズへより柔軟に対応するため、全館冷凍・冷蔵および全館可変温度帯仕様のマルチテナント型物流施設の開発に踏み切った。

冷凍倉庫および冷蔵倉庫として必要十分な仕様を満たし、食品メーカーや食品卸、3PL企業などが汎用性高く利用できる設計を採用。マルチテナント型とすることで、様々な企業が小規模区画で入居可能となり、保管拠点と配送拠点を1つの拠点に集約させることに加え、入居企業同士で結び付きを深められるようにする。

同社は汎用的な冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設の標準モデルを確立し、利用の裾野を広げていきたい考え。

開発に際しては、契約期間を常温の物流施設と同等に設定し、小規模区画・可変温度帯を採用するとともに2層使いを可能にし、高いトラックバース比率を実現。自然冷媒(ノンフロン)、太陽光発電の館内還元、全館LEDなどを進める。

冷凍・冷蔵設備に関わる初期投資、原状回復工事費、設備管理費は入居企業の投資負担ゼロとする。

「GLP神戸住吉浜」は冷凍・冷蔵の温度帯切り替えが可能な全館可変温度帯仕様(-25℃~10℃)。地上5階建てで、3階へのランプウェイ設置により1階と3階に接車できるようにする。最大8テナントの入居が可能。

関西の人口密集地を臨む神戸湾岸エリアに位置し、神戸港の大型コンテナターミナルにも至近。動物検疫の検査を受けられる希少な冷凍・冷蔵物流適地に立地する。阪神高速5号湾岸線の住吉浜ICから約1.3km、阪神高速3号神戸線の魚崎ICから約2.5km。神戸市内への都心配送や関西・中国地方の中間地点として広域配送が可能な物流拠点になると見込む。


「GLP神戸住吉浜」広域図


「GLP神戸住吉浜」周辺図

■施設概要
施 設 名 :「GLP神戸住吉浜」
所 在 地:兵庫県神戸市東灘区住吉浜町19-24
敷 地 面 積:約 21,000 ㎡(約 6,400 坪)
延 床 面 積:約 45,000 ㎡(約 13,500 坪)
建 築 面 積:約 12,600 ㎡(約 3,800 坪)
収 容 能 力:52,660t(C&F 級:52,660t)
構 造:地上 5 階建て、耐震 RCS 造
着 工:2023 年 5 月(予定)
竣 工:2024 年 11 月末(予定)
認 証 取 得:CASBEE 認証(予定)、ZEB 認証(予定)

(藤原秀行)※写真はプレスリリースより引用

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