鈴木社長、今後も大型物流施設の賃貸が選択肢と説明
工場用間接資材の通信販売最大手MonotaRO(モノタロウ)の鈴木雅哉社長は11月26日、兵庫県猪名川町で竣工したプロロジス開発の物流施設「プロロジスパーク猪名川1」の完成記念式典と記者会見に出席した後、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。
鈴木社長は、同施設内に新拠点「猪名川ディストリビューションセンター(DC)」を設けることに関連し、東日本で既に稼働している「笠間DC」(茨城県笠間市)、「茨城中央サテライトセンター」(同県茨城町)と合わせ、東西の主要3拠点で注文増に対応していく方針を強調。茨城の2拠点で活用している物流ロボットなどの自動化・省人化機器を猪名川DCでも基本的に踏襲し、積極的に取り入れていく意向を示した。
鈴木社長
自動梱包機なども活用
プロロジスパーク猪名川1は地上6階建ての免震構造で、延べ床面積は約21万8200平方メートル。MonotaROは1~5階と6階の一部を賃借、猪名川DCを運営する。本稼働は2022年4月に始める予定。現在は兵庫県尼崎市の「尼崎DC」など複数箇所に存在している物流拠点を猪名川DCに集約し、集荷能力を尼崎DC単独の3倍まで高める計画だ。
鈴木社長は、プロロジスの施設を選んだ理由として、免震構造など防災機能の高さを評価したことを明らかにするとともに「関西では大規模な物流施設の開発が可能な用地を自社単独で探すのがなかなか難しい。それであればプロロジスさんのお力を借りた方が絶対に良いと考えた」と指摘。
MonotaROの事業が前年比2割の規模で伸びているため、取扱量の拡大に伴い新たな物流拠点が必要になった場合は今後も賃貸物流施設が有力な選択肢になってくるとの見解を示した。
また、猪名川DCは茨城の拠点でも使っている日立製作所グループの日立インダストリアルプロダクツ製小型無人搬送ロボット「Racrew(ラックル)」を約800台採用するほか、ベルトコンベヤーや自動倉庫、自動梱包機なども取り入れると解説。「東西3拠点はいずれも自動化・機械化に注力したセンターにする」と語り、将来開発する大型物流拠点でも自動化の方針を堅持していく姿勢を見せた。
笠間DCで稼働中の「Racrew」(日立製作所プレスリリースより引用)
(藤原秀行)