東京・平和島でTRC再開発の「物流ビル新A棟」、冷凍冷蔵優先区画導入へ

東京・平和島でTRC再開発の「物流ビル新A棟」、冷凍冷蔵優先区画導入へ

23年8月末竣工予定、多様な企業ニーズに対応設計

三菱地所グループの東京流通センター(TRC)は12月16日、東京都大田区平和島で運営・管理している物流施設やオフィスビル、展示場を備えた「東京流通センター」(総延べ床面積約38・9万平方メートル)の敷地内再開発の第2弾となる「物流ビル新A棟」の地鎮祭を現地で開催した。

1971年完成の物流施設「物流ビルA棟」(約17・3万平方メートル)を取り壊した上で、地上6階建て、免震構造のマルチテナント型物流施設(約20・5万平方メートル)を整備する。竣工は2023年8月末の予定。


物流ビル新A棟の完成イメージ(TRCプレスリリースより引用)

物流ビル新A棟は1階を小規模・冷凍冷蔵優先区画、2~3階を小規模区画、4階を中規模区画、5~6階を大規模区画と設定。2~3階は最少で145坪(約480平方メートル)から、標準では435坪(約1430平方メートル)を使えるようにする一方、5~6階はワンフロア最大で約7800坪を提供するなど、多様な企業のニーズに応えられるようにする。事業規模の成長に伴って、同じ棟の中で上層階に移ることも可能な設計を採用する。

冷凍冷蔵設備は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う食品のeコマース利用増などでニーズが高まっている一方、東京湾岸の既存施設老朽化といった課題も顕在化している。物流ビル新A棟が現状改善につながることが期待される。

コンセプトは「倉庫+α」

物流ビル新A棟は併せて、電源容量を十分確保し、給排水・給排気対応も備えるなど、倉庫利用だけでなく、オフィスやショールーム、メンテナンス拠点などとしても使える「倉庫+α」をコンセプトに設定している。隣接地で17年6月に建て替えが完成した物流ビルB棟の1区画、約430坪にモデルルームを開設、スペースの一角を執務室・休憩室として使うなど「倉庫+α」の利用イメージを体感できるようにする計画だ。

物流ビル新A棟の1~3階は建物の外壁に沿って歩廊を設け、車両の通行エリアと明確に分離することで歩行者が安全に移動できるよう配慮。屋上にはアメニティースペースを設けるとともに、建物内に医療機関や郵便局、コンビニも備える。


地鎮祭の様子


解体が進む現場


物流ビルB棟のモデルルーム

(川本真希、藤原秀行)

施設の概要はコチラから(TRCプレスリリース)

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