4大都市圏中心に供給、コロナ禍でも積極さ持続
ロジビズ・オンラインが、主要な物流施設デベロッパー22社を対象に実施したアンケート調査の回答を集計したところ、2022年中に竣工を予定しているマルチテナント型物流施設は、計画がある15社のトータルで71棟、総延べ床面積が約457万平方メートルに達することが明らかになった。
新型コロナウイルスの感染拡大下でもeコマースの需要拡大などを追い風に、各社の積極的な開発姿勢が持続する続く見込みとなっていることが浮き上がった。
アンケートは今年8~9月にかけて実施。各社の回答を集計した。物流施設は他社と共同開発しているものも含めている。各施設の延べ床面積は詳細に回答している企業と概数で答えている企業に分かれているため、合計する際は100平方メートルで四捨五入してそろえた。
全て回答時点でのデータのため、施設の名称や竣工のタイミング、延べ床面積などは変更となる可能性がある。また、回答しているもの以外にも検討中の案件が存在している見通し。
首都圏が延べ床面積ベースで全体の7割に
22年に完成するマルチテナント型物流施設のうち、首都圏は東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城の1都4県で41棟、計約320万2000平方メートルに達している。総延べ床面積ベースで全体の約7割に上る。10万平方メートルを超える大規模施設も14棟と、大型物件のニーズが続いていることをうかがわせた。
最も多いのは大和ハウス工業が13棟。その後は東京建物が6棟、三井不動産が4棟(JR貨物との共同開発案件含む)、プロロジスと日本GLP、ロジランドが各3棟、東急不動産とESRが各2棟、オリックスとシーアールイー(CRE)、住友商事、野村不動産、三菱地所が各1棟と、21年度に続いて多彩な顔ぶれとなっている。
近畿圏は大阪、兵庫、滋賀の1府2県で10棟、約28万6000平方メートルで、21年度に比べると若干ペースダウンしている。大和ハウス工業が最も多く3棟で、ロジランドが2棟、オリックスやグッドマンジャパン、CRE、東京建物とセンターポイント・ディベロップメント(CPD)の共同案件、プロロジスが各1棟と分かれている。
中部圏は愛知と三重の両県で5棟、約49万6000平方メートル。大型物件が複数予定されているため、規模では近畿圏を上回っている。大和ハウス工業が2棟、ESRと日本GLP、野村不動産が1棟ずつとなっている。
九州圏は福岡県で5棟、約18万6000平方メートルに上り、ESR、大和ハウス工業、東京建物、日本GLP、三井不動産が1棟ずつ。九州は福岡を中心に物流施設の開発が進んでおり、そうした流れを裏付ける回答内容となった。
4大都市圏以外のエリアでは10棟、約40万平方メートル。このうち8棟は大和ハウス工業で、都市部に加えて地方エリアでも積極的な開発姿勢を維持していることをあらためて印象付けた。残りはプロロジスと日本GLPが1棟ずつで、分布は北海道、岩手、宮城、福島、富山、岡山、沖縄となっている。
(藤原秀行)