ヤマトと業務請負・人材派遣のワールドHDが提携、合弁へ★続報

ヤマトと業務請負・人材派遣のワールドHDが提携、合弁へ★続報

ヤマト・スタッフ・サプライの成長図る

ヤマトホールディングス(HD)と製造・サービス分野の業務請負・人材派遣を手掛けるワールドホールディングスは7月27日、人材サービスの分野で戦略的業務提携すると発表した。

提携に併せて、ヤマトHDの完全子会社で人材ビジネスを展開しているヤマト・スタッフ・サプライ(YSS、東京都中央区明石町)の発行済み株式51%を、ワールドHD傘下でワールドスタッフィング(WSF、福岡市)が9月1日付で取得することも決めた。取得額は開示していない。残る49%は当面ヤマトHDが継続保有し、合弁に移行する。

YSSは現在、約1万4000人が派遣登録しており、その7割程度を占めるヤマトグループのOBをヤマトグループの物流拠点に派遣する事業が中核を占めている。

ワールドグループはヤマトグループの派遣業務の発注代行を担うなど取引関係があり、WSFはEC事業者の物流倉庫作業の一括請負に強みを持っている。

ヤマトHDはワールドグループのノウハウを生かし、YSSで物流拠点以外への派遣を広げるとともにOB以外の外部人材にも利用を働き掛けるなど、人材サービスを伸ばしていきたい考え。ワールドHDはヤマトグループOBへのリスクリング(学び直し)に注力して活躍の場を広げられるようサポートするなど、事業成長を後押しする。

東京都内で7月27日、記者会見したワールドHDの伊井田栄吉会長兼社長は「当社は物流倉庫の領域に圧倒的な強みを持っている。人の価値を高めていくというのがミッションであり、リスキリングなどでわれわれの経験を生かせる」と語り、YSSの合弁移行の狙いを語った。

ヤマトHDの長尾裕社長は「(YSSが)われわれの100%子会社のままでは、どうしても当社の(事業の)延長線上になってしまう。マジョリティを持っていただいた上で、スピードを持ってノウハウを吸収した方がいいと考えた」と述べた。


会見後の撮影に応じるワールドHDの伊井田会長兼社長(左)とヤマトHDの長尾社長

(藤原秀行)

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