プロロジス、茨城・古河でマルチ型とBTS型計4棟開発の大型プロジェクトが本格始動

プロロジス、茨城・古河でマルチ型とBTS型計4棟開発の大型プロジェクトが本格始動

「マルチパーパス」設定で特別高圧電力利用可能、第1弾は12.1万㎡で23年3月末竣工見込む

プロロジスは12月22日、茨城県古河市で新たなマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」の起工式を行ったと発表した。

同社は17万7000平方メートルの敷地内にマルチテナント型1棟、BTS型3棟の物流施設計4棟を開発する「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」を進めており、今回は1棟目となる。BTS型は延べ床面積が約10万9000平方メートルとなる見通し。

「フェーズ2」は様々な用途で使える「マルチパーパス型」のロジスティクスパークとして敷地内に特別高圧電力を受電する予定。冷凍・冷蔵倉庫、工場用途、大規模なマテハンや自動倉庫の導入、館内全域への空調設備など、大量の電気を使用する用途を念頭に置いている。工業用水や中圧ガスなど、その他のインフラも充実している。

敷地内BTS型施設の入居企業の繁忙期には、保管荷物が増加することも想定し、増床希望時には「プロロジスパーク古河4」を利用することで、敷地内での一体運用を可能にする。「プロロジスパーク古河4」は短期・小規模でスペースを賃貸できる「プロロジス・フレックススペース」のサービス提供も検討しており、入居企業のスペース需要増減へ柔軟に対応する構え。

開発地の北東隣では、「プロロジス古河プロジェクト フェーズ1」として、合計約10万6000平方メートルの敷地に3棟のBTS型物流施設「プロロジスパーク古河1・2・3」が稼働中。


「フェーズ2」の全容

「プロロジスパーク古河4」は地上3階建て、延べ床面積は約12万1000平方メートルを計画。圏央道の五霞IC、境古河ICからいずれも約10分とアクセスに優れた北利根工業団地内に建設する。竣工は2023年3月末を見込む。

施設の相互通行のスロープを南北2カ所に取り付け、1・2階は約140メートル×210メートル、賃貸面積約9000坪(約3万平方メートル)のフロアに両面バースを備える。3階は約170メートル×240メートル、賃貸面積約1万1000坪(約3万6000平方メートル)の大平面を確保する。

2・3階は保管効率を重視したメゾネット形式とし、梁下有効高6.3~8.6メートルを持たせる。日用雑貨・消費財などの高積みやラックの4段積みも可能にし、一般的な5.5メートルの天井高に比べて保管効率を格段に向上させる予定。ロボットストレージシステムなどの導入も可能。

施設全体で最大6企業の入居に対応し、最小賃貸面積は3700坪(約1万2200平方メートル)に設定している。


「プロロジスパーク古河4」の竣工イメージ(いずれもプロロジスウェブサイトより引用)

施設内には、働く人のためのカフェテリアやコンビニエンスストアを整備。安全な保管場所の需要が急増している化粧品やアルコール類などの保管も可能な小型倉庫を敷地内に併設。工業専用地域の特性を生かし、多様な業種・用途の物流需要をカバーする。

BCPの観点から、非常時の発電機燃料としてオイルタンクを設置。防災センターや入居企業の事務所エリアなどへ電力供給できるようにする。備蓄燃料は震災などで停電した際、施設入居企業へ提供するほか、プロロジスが運営する周辺の物流施設への移送も想定。断水時にも約30日間トイレが使用できるよう給水設備を整える。

ESG推進と環境負荷軽減のため、倉庫内には通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を採用。入居企業の温室効果ガス削減に寄与するため、約6メガワットの自家消費ソーラーを設置し、ゼロエネルギービル(ZEB)とする計画。

(藤原秀行)

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