農水省が食品製造業者と小売業者の適切な取引推進へガイドライン公表
農林水産省は12月27日、「食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドライン」を公表した。
ガイドラインは食品製造業者と小売業者の取引で問題になり得る事例を明示。下請法や独占禁止法の考え方を分かりやすく説明し、取引上の法令違反を未然に防ぐのが狙い。
この中で、物流センター使用料(センターフィー)などの負担に言及。食品製造業者が合理的な根拠なしに小売業者から高額のセンターフィーやコンテナリース料を徴収されたケースなどを問題となり得るケースとして挙げ、「不当な経済上の利益の提供要請」を禁じている下請法に抵触する恐れがあるなどと指摘している。
その上で、センターフィーなどの負担は食品製造業者と小売業者が十分に協議した上で、下請け代金の本体価格と混同しないよう別途料率を決めるとともに、料率の設定は合理的な算定手法や積算根拠を明示することが望ましいと強調している。
具体例として、食品製造業者の責任となっている物流センターまでの輸送に関し、物流センターごとに個別のチルド配送車を確保する必要がある点などを考慮し、一連の運搬の在り方を総合的に勘案した上で、採算に合わない場合は数字を基に小売業者へセンターフィーの改定を申し入れるなどの取り組みを紹介。小売業者が優越的な立場で物流センターフィーを一方的に決めることがないよう強くけん制している。
物流センターフィーについては、積算根拠の不透明さや、小売業者による優越的な立場からの支払い要請が長年問題視されており、農林水産省があらためて警告した格好だ。
(藤原秀行)