【独自】ギークプラスが1200kg可搬ロボット活用の自動搬送・仕分けシステムを国内初公開、1日単位で利用可能な物流拠点も発表

【独自】ギークプラスが1200kg可搬ロボット活用の自動搬送・仕分けシステムを国内初公開、1日単位で利用可能な物流拠点も発表

専用棚は高さ3.7m、空間利用効率高め大型商品も取り扱い想定

ギークプラスは1月19~21日に東京都江東区有明の東京ビックサイトで開かれた「第1回スマート物流EXPO」で、新たなピッキング棚の自動搬送・仕分けシステム「Pop Pick(ポップピック)」を国内で初めて公開した。

商品を収めた棚の下に潜り込んで持ち上げ、ピッキング作業エリアへ運ぶAI搭載の自動棚搬送ロボット「EVE」シリーズで新たに搭載重量が最大1200キログラムのタイプ「EVE P1200R」を開発。専用棚も高さはこれまでのものの2倍前後となる3.7メートルに及び、より重量のある商品を搭載できるようにしている。

コンテナ1個を20キログラムと想定すると、最大で60個を一度に運ぶことが可能。棚を高くすることで、庫内の保管効率をよりアップさせられると見込む。コンテナと棚、パレットを混合し、様々なサイズの商品を同じエリアで効率的に管理することも想定している。

作業エリアに設置するワーキングステーションは、高いところにあるコンテナも自動的に作業スタッフの手元まで取り降ろす仕組み。1時間当たり650個の作業ができると見込む。


大型商品の搬送が可能に

ギークプラスの佐藤智裕社長は「ECだけにとどまらず、製造業の部品の管理など、従来以上に多様な商品を取り扱えるようになる可能性を秘めている。空間の利用効率も上部を使えるようにするため、かなり高められる」と説明。今年の春から夏にかけ、日本で本格的に発売していくことを目指す考えを示した。

ギークプラスは併せて、神奈川県相模原市で、1日単位で利用することが可能な物流拠点「相模原LaaSセンター」をこのほど開設したことを発表した。

LaaSは「Logistics as a Service」の略。同センターは面積が2500坪(約8300平方メートル)で、EVEを80台、ピッキング作業をこなすワーキングステーション10台、ピッキング棚1400本を導入。EC事業者が1日単位で利用できるフルフィルメントセンターとして運営している。

商品のマスターデータなど基本的な情報があればすぐに利用を始められる。入出荷の効率を含めた効果検証も可能。商品の波動に応じてEVEの利用台数を調整できるようにしている。

スマート物流EXPO会場では他にも、ロボットの運用ノウハウを学べる教習所「DOJO」を本格的に展開するなど、サポート体制を強化する方針をあらためて表明した。


佐藤社長

(藤原秀行)

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