2022年は「ドローン社会実装元年」目指す

2022年は「ドローン社会実装元年」目指す

JUIDA・鈴木理事長が目標公表、空飛ぶクルマの普及促進も

ドローンの産業利用促進に取り組む日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長は1月25日、オンラインで記者会見した。

鈴木氏は2022年の目標として、物流などの領域で実用化に向けた実証実験が盛んに行われている現状を踏まえ、実際にサービスとして提供される段階へ移行する「ドローン社会実装元年」を掲げることを明らかにした。

また、21年7月にJUIDAの定款を変更し、ドローンなどUAS(無人飛行機)に加えて、長い滑走路を必要とせず垂直で離発着できる「空飛ぶクルマ」や水中ドローンなどの次世代移動体システム(AMS)の関連産業創出や市場拡大を後押ししていくことを明示したと説明。

JUIDAとしても22年6月に開催する国際的な展示会「JapanDrone2022」に合わせて、AMSにフォーカスした展示会も初めて開くなど、様々な活動を展開していくことに意欲を見せた。


2022年の目標(JUIDA公表資料より引用)

ビジネスマッチングを4月開始へ

鈴木氏はJUIDAの活動報告として、22年1月時点の会員数が個人で1万9843、法人で300、公共領域で95の計2万238と初めて2万の大台を超え、ドローンの技術や操縦技能を教える認定スクールも日本全国で265、インドネシアでも1つの計266校に達したと説明。「ドローンの産業利用が飛躍的に広がったことが背景にある」との見方を表明した。

また、物流領域でのドローン活用に取り組むアジアのコンソーシアム「Drone Logistics Ecosystem(ドローンロジスティクスエコシステム)」など、国際プロジェクトとの連携にも注力している状況を報告。ドローン普及などに取り組む海外22カ国、32の団体ともパートナー関係を締結していることに言及した。

さらに、政府が22年末をめどに、ドローンの都市部上空での目視外飛行「レベル4」を解禁する準備を進めていることに伴い、JUIDAとしても併せて整備される操縦の国家ライセンスの具体的な内容の検討などで協力していることを紹介。「都市部の(高層建築物やプラント類の)点検など非常に大きな市場拡大につながる。農業や物流などでのドローン活用が本格化する」と期待を見せた。

併せて、新たな取り組みとして、国内企業のドローンを活用したビジネスチャンス創造を後押しするため「グローバルビジネスマッチング」を4月に開始する方向で準備していることを明らかにした。海外企業に国内のドローン企業などの情報を提供し、提携先を紹介、新たな事業の創出や異業種間の交流を図る。

さらに、鈴木氏は「地域の防災活動の中でどのようにドローンを役立てていただくかを真剣に考えていく時期だと思っている」と語り、自治体や各地の認定スクールとも連携して災害発生時の被災者捜索や救援物資輸送などへのドローン投入を積極的に進めていく姿勢を強調した。

ドローンを物流や森林管理などに使おうとする動きが地方自治体の間で広がっていることを受け、JUIDAとしてもJapanDroneの場で先進的な取り組みを紹介、他の自治体の参考にしてもらうことなどを続ける考えを見せた。

(藤原秀行)

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