大規模マルチ型物流施設の実質賃料、近畿圏や中部圏の21年10~12月も横ばい

大規模マルチ型物流施設の実質賃料、近畿圏や中部圏の21年10~12月も横ばい

CBRE調査、需要は旺盛

シービーアールイー(CBRE)は1月31日、2021年10~12月期の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果を公表した。

近畿圏の1坪当たり実質賃料は4100円で、前期(21年7~9月)から横ばいとなった。CBREは「既存物件は上昇基調が続いているものの、今期竣工した物件がいずれも賃料水準の低い周辺部に立地するため全体平均を押し下げた」との見方を示した。

平均空室率は0.4ポイント下がって1.2%。6四半期連続で前期水準を下回った。新規供給した2棟のうち1棟が満床、残り1棟も9割以上が入居確定して竣工を迎えた上、複数の築浅物件が満床となり、新規需要は7.8万坪と旺盛だった。

21年の新規需要は総計30万坪に達し、07年のCBRE調査開始以降では年間で過去最多を更新した。

22年の新規供給は現状で3棟にとどまっているが、6割程度のスペースで入居テナントが内定済みとみられるという。

中部圏の1坪当たり実質賃料も3590円で、やはり前期比横ばいだった。空室率は2.8ポイント下がり5.1%となった。今期の竣工はなく、これまでに完成した複数の物件で空きスペースが埋まったことが空室率低下につながった。

22年は9棟・17万坪の新規供給が見込まれている。

調査対象は近畿圏が大阪、兵庫、京都を中心に延べ床面積1万坪以上の62棟、中部圏が愛知を中心に5000坪以上の29棟。


近畿圏(上)と中部圏の需給バランス推移(CBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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