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今後3年間は「新しい時代も荷物運びきる」ための準備に注力

今後3年間は「新しい時代も荷物運びきる」ための準備に注力

キリングループロジ・山田社長が新中計説明、ベテラン社員のノウハウ継承やデジタル化に決意

キリングループロジスティクス(KGL)の山田崇文社長は2月7日、経営戦略に関する記者会見をオンラインで開催した。

2022年(通年)から3カ年を対象とする新たな中期経営改革に関し、5年後の27年に在りたい姿として以前から掲げている「知恵と創意工夫で新しい時代も運びきっている」を実現するための、準備の3年間と位置付ける方針を表明。トラックドライバーの人手不足に加え、24年度に長時間労働への規制が強化される「2024年問題」にも対応するため、輸配送能力の向上や物流業務の効率化を引き続き推進する意向を示した。

併せて、新中計は事業基盤を持続可能なものとするための「人財育成」と、デジタル技術を積極的に現場業務へ取り入れる「デジタルICT」に軸足を置くことを明示。女性従業員の活躍推進、働きやすい環境の整備、配車システムの再構築などに取り組む方向性を明らかにした。最終年度の24年には、売上高を21年実績比約5%増の772億円まで高める目標を掲げた。

山田社長は2024年問題を含めたドライバー確保の取り組みに関し「9割近くの配送を協力会社の皆様にお願いしている。お世話になっている協力会社との関係をしっかり強化し、将来も運んでいただけるような環境、ベースをまずはしっかり固めていきたい。課題や実態をお聞きしながら、解決の方向を一緒に考えていく。その上で、それでもトラック台数が足りなければ、どこのエリアとは限らず、新規の開拓も含めて検討していきたい」と語った。

22年の方向性としては「かなり長年活躍してきたベテランの人間で現場が支えられている。あと5年、10年するとそういう方々が引退され、そのままノウハウが会社から消えてしまうという危機感を非常にいただいている。事業継承という意味でノウハウを新しく入社した人たちになるべく早く引き継ぎ、かつデジタルを含めて新しいノウハウを投入しながら、25年以降も大丈夫だというように、人財の質確保のための育成をまずは実現したい」と意気込みを示した。


山田社長(KGLウェブサイトより引用)

出荷日の前々日受注「D+2」拡大

山田社長は災害の頻発や猛暑などで物流が混乱した18年の反省を踏まえ、19~21年を対象とした前中計で環境変化に対応して荷物を運びきる力を高めることに注力、安定的な物流対応力や輸配送完遂力の構築などの成果を挙げたと分析した。

その流れを踏まえ、新たな中計は「将来にわたってキリングループの製品が確実な納期、求められる形態で求められる場所にお届けし、かつ適正なコストで運営できている体制を実現する」ことを基本方針に設定したと強調した。

事業強化へ輸配送と拠点の両面での戦略として、「実輸配送(貨物)を減らす」「トラック台数を過不足なく確保する」「限られたトラックを効率的に活用する」の3つの観点から、出荷前に製品を事前に出荷先別に荷ぞろえし、タブレット端末で検品できる体制を拠点で導入することなどで構内の積み込み・検品時間を短縮することや、出荷日の前々日受注をオペレーションの基本とする「D+2」をさらに広く展開して出荷までの準備時間を確保、出荷当日は効率的に作業できるようにすること、荷主企業とASN(事前出荷情報)を共有し相手先で待機時間を減らすことなどを強力に進めることを打ち出した。

人財育成は働き甲斐を持ってもらえるようにするため、既に公表している、22年から年間所定労働時間を1920時間から1896時間に短縮することや、転勤を伴わない地域限定のブロック社員制度導入、在宅勤務制度の改定などの施策に言及。経営職に占める女性の割合を8%以上とすることなどを盛り込んだ女性活躍推進の定量目標にも触れ、達成へあらためて決意を示した。

併せて、配車などに関する専門スキルを持った人材の育成強化・優先配置、積極的なグループ間の人財交流、機能別・ステージ別要員配置計画の具体化などを提示した。

一方、デジタルICTの領域では、1億円程度をかけて配車システムをより精度の高いものに再構築するほか、ペーパーレスや検品レス、ファクス削減など業務プロセス改革の実行なども列挙した。

さらに、キリングループ以外の外販事業についても、物流サービスのレベル向上につなげるためにも継続して注力する方針を明言。山田社長は売上高の4分の1程度を外販が占めており、21年は180億円強だったと説明した上で「中計でも同じくらいの売り上げを確保することを目指して取り組む。食品メーカーを中心に、しっかりと課題解決で貢献できる得意先を中心に今のお客様の維持と新規開拓を図っていきたい」と述べた。

(藤原秀行)

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