農産物商品の補充や近隣へのからあげ弁当配達、防災食輸送の訓練も
ドローン(無人航空機)の安全飛行支援を手掛けるスタートアップ企業のトルビズオン(福岡市)は2月16日、西日本高速道路(NEXCO西日本)九州支社(福岡市)、笹川工建(佐賀県多久市)、多久市まちづくり協議会、多久市と連携し、長崎自動車道多久西PA下り線近隣を拠点に、ドローンを活用したフードデリバリーなどの実証実験を実施したと発表した。
多久市は2020年から、トルビズオンが展開している、土地所有者とドローンユーザーが上空の利用権を取引できるようインターネットで仲介、安全に飛行できる「空の道」を整備するサービス「sora:share(ソラシェア)」を活用し、ドローン空路を町中に張りめぐらせるプロジェクトを展開。ドローンを生かした物流の人手不足や一次産業の担い手不足などの課題を解決し、「空の町おこし」を進めている。今回の実験もその一環。
2月11日に多久西PA周辺でドローンの離発着設備などを展開。多久みかんの産地「梅野地区」から多久西PAへドローンで農産物品を補充したり、多久西PA内の店舗「モテナス」からドローンで近隣の公園にからあげ弁当を運んだりした。
併せて、公民館近くの公園から梅野地区へ防災食をドローンで届ける訓練も実施した。
実験にはマルチコプター型ドローン(DJI M300)を投入、搬送距離は計約6キロメートルに達した。今回の成果を踏まえ、トルビズオンや多久市はドローン物流の実用化に引き続き取り組む。
飛行ルート
実証実験で使用した機体と多久市まちづくり協議会のメンバー
(左から)モテナスに補充されるみかん、からあげ弁当を楽しむユーザー、防災食の空輸訓練(いずれもトルビズオン提供)
(藤原秀行)