国際基準GDP満たす高機能提供し需要獲得狙う
日本通運は1月8日、医薬品物流を強化するため、国内4カ所で新たに倉庫を建設すると発表した。いずれも2020年中に稼働させる計画。
医薬・医療品の流通に関する国際的な品質基準GDPの日本版ガイドラインに沿った先進的な拠点を構築。輸配送も含め高効率・高品質の供給ネットワークを新たに整備し、拡大する物流需要を着実に取り込みたい考えだ。建設費用は総額で400億~500億円を見込む。
拠点の完成イメージ(日本通運提供)
医薬品サプライネットワークの概要(日本通運提供)※クリックで拡大
原材料や製品の輸出入拠点として既に成田、関西の両国際空港エリアで展開しているメディカルハブに加え、東日本(埼玉県久喜市・延べ床面積約2万坪)、西日本(大阪府寝屋川市・約2万坪)、九州(北九州市・約5000坪)、富山(富山市・約3000坪)の各エリアに、医薬品に特化した拠点を新たに構える。保管・輸送の共同化や輸配送車両のラウンドユースなどを並行して進め、業務の効率化を目指す。
稼働時期は西日本と九州が20年8月、東日本と富山は同年12月をそれぞれ予定している。
東日本と西日本の両拠点は入荷、保管、出荷の各エリアを明確に分け、入荷と出荷に使う専用エレベーターもそれぞれ導入。トラックドックや前室、大型エアシャワーを用いて虫が施設内に混入するのを防ぐ。新拠点では他にも、保管エリアで温度と湿度を3次元のマッピング映像で総合監視するなどの新たな試みを取り入れる計画。
(藤原秀行)