株式6割取得目標、EC物流強化など図る
丸和運輸機関は2月18日、東京証券取引所1部上場でEC物流を手掛けるファイズホールディングス(HD)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。
ファイズHD株式の60%を取得、子会社化することを目指す。丸和運輸機関はファイズHDを傘下に収め、EC物流の事業基盤強化などを図る。両社は併せて、業務提携契約の締結を発表した。
丸和運輸機関は直近でファイズHDの株式を保有していないが、和佐見勝社長は2021年12月末時点でファイズHD株式を4.85%(議決権ベース)保有している。
ファイズHDは同日、TOBに賛同する一方、株主に対しては中立の立場を取り、個々の株主の判断に委ねる方針を開示した。
TOBは2月21日から3月22日までの1カ月間。買い付け価格は1株当たり670円で、買い付け予定の株数を全て取得した場合は約43億円となる見通し。
丸和運輸機関によると、ファイズHD創業者で筆頭株主の金森勉氏(保有比率45.43%)や第2位株主で金森氏と親族が関わっている資産管理会社(5.22%)などがTOBに応じる意向を示しており、トータルで50%を超えている。
丸和運輸機関によれば、和佐見社長が21年5月中旬、ファイズHDの金森氏と榎屋幸生社長から「EC事業者の物流センター新設に関するプロジェクトへの支援を依頼されるとともに、このEC事業者との取引関係を今後も持続的に発展させるため、EC物流に理解があり同じEC事業者をクライアントに持ち、金森氏が売却候補先と考えていた公開買付者(丸和運輸機関)と資本面で提携関係を構築することも視野に、業務面で提携関係を構築していきたい旨の申し入れを受けた」ことが契機という。
この際、金森氏が資本提携の手段として、同氏らが所有するファイズHD株式を丸和運輸機関へ売却する意向がある旨の申し入れも受けていたという。丸和運輸機関は「この時点では譲渡する株式の具体的数量は提示されていない」と説明している。
ファイズHDの21年3月期連結決算は売上高が129億円、営業利益が5億9500万円だった。
(藤原秀行)