日野自動車、日本市場向け車両用エンジンの排出ガスデータで認証申請に不正確認と発表★続報

日野自動車、日本市場向け車両用エンジンの排出ガスデータで認証申請に不正確認と発表★続報

エンジン3機種と搭載車両は出荷停止、国にも報告

日野自動車は3月4日、日本市場向けのトラックとバス用エンジンの排出ガスや燃費に関する認証申請に不正行為があったことを確認したと発表した。

不正行為が判明したエンジン3機種と搭載車両は同日、出荷を停止することを決めた。

出荷停止を決めたのは、中型エンジン「A05C」と大型エンジン「A09C」「E13C」。このうち「A05C」は中型トラックのレンジャー、「A09C」「E13C」は大型トラックのプロフィア、大型観光バスのセレガにそれぞれ搭載している。対象車種の年間販売台数は全体の4割弱を占めている。

同社によると、「A05C」は排出ガス性能の劣化耐久試験、「AC09C」「E13C」は認証試験の燃費測定でそれぞれエンジン性能を偽る不正行為があり、性能に問題があることも分かったという。担当者がデータを書き換えていたとみられ、現時点で平成28年(2016年)の排ガス規制対象エンジンで不正行為が見つかった。

また、この3機種とは別に、小型エンジン「N04C(尿素SCR)」に関しても、不正の有無は判明していないが燃費性能の問題が発覚した。同社は問題のあった計4機種について、既に国土交通、経済産業の両省にも報告した。

同社によれば、北米市場向けの車両用エンジンについて、社内で排出ガス認証に関する課題が浮上したため、外部の弁護士を交えて自主的に調査を進めていたのと併せて、日本市場向けの車両用エンジンも調査。排出ガスや燃費などのエンジン性能を再確認していた中で不正行為が発覚した。

今後、外部有識者による特別調査委員会を設置し、全容解明や再発防止策の策定を図る。

東京都内で同日記者会見した日野自動車の小木曽聡社長は「多くの方々にご迷惑をお掛けしたことを深くおわびする。こういう結果を起こしたことは重く受け止めている。まずはお客様や販売店、ステークホルダーにおわびしながら対応していく」と謝罪。リコールなどの対応を早急に進める方針を強調した。4機種以外のエンジンには問題を確認していないと説明した。

同席した下義生会長は「ものづくり企業としてあってはならない行為。経営の責任は大変重い。調査はまだ継続しており、企業風土の点も踏まえ、今回の問題を二度と起こさないためには社内の徹底的な改革がまだ足りていない。そういった意味で、外部有識者のお力もいただきながら再び信頼いただける企業になるため、まず目の前のことをしっかりとやっていきたい」と語った。


記者会見の冒頭、不正行為を謝罪する日野自動車の小木曽社長(左)と下会長

(藤原秀行)

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