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「トヨタからお客様への影響を最小限にするよう話があった」

「トヨタからお客様への影響を最小限にするよう話があった」

日野自動車不正行為発表会見 質疑応答(後編)

日野自動車は3月4日、日本市場向けのトラックとバス用ディーゼルエンジンの排出ガスや燃費に関する認証申請に不正行為があったことを確認したと発表した。

東京都内で同日開催した記者会見に小木曽聡社長と下義生会長が出席し、問題発覚の経緯などを語った。質疑応答の部分を掲載する。


会見に臨む小木曽社長(左)と下会長

雇用への影響は極力なくすよう進めていく

――日本自動車工業会(自工会)などの活動はどうするのか。
下義生会長
「結論は今ない。自工会については、本当に日野個社として、こうして大変な問題を起こしたと思っている。一方で、カーボンニュートラルを含めてやはり、個社のみならず自動車業界全体として取り組むべき案件も多いので、そういったことも含めて、自工会各社の皆様におわび申し上げるとともに、今後の活動はまたご相談させていただきたい」

「今、自工会の理事は私がやっていたが、実は本件とは直接関係ないが、今、日野以外は全て社長が理事を務めている。今申し上げたように、自工会の活動は本業と一体化している、まさに様々な課題と一体化しているということがある。日野においても、今後の理事は社長の小木曽に変更ということで、2月28日付で、こういう場でお話すると何かリンクしているような形になるが、それと全く関係ない形で、変更した」

――出荷停止の台数は年間約2万2000台で約35%と先ほど説明があったが、35%は日野の国内での販売台数に占める割合ということか。
小木曽聡社長
「その通りだ」

――出荷停止に関連し、期間はどれくらいになるとみているか。雇用への影響は。
小木曽社長
「出荷停止の期間は、現在まだ想定できていない。これだけの不適正な事案を起こしたので、おそらくこれに対する再発防止をきっちり行い、その後に再度、認可を取り直す形になるので、ある期間がかかると思う。認可なので国土交通省とご相談しながら進めることであり、われわれからどれくらいと申し上げることができない」

「雇用への影響は、年間2万2000台ほどになるので、われわれグローバルの生産台数がだいたい16万台くらいなので、社内で様々な工夫をして、雇用への影響を極力なくすように進めていく所存だ」

――一定数の方の職が失われることも可能性として念頭にあるのか。
小木曽社長
「これからきっちり精査して、ということだ。基本的に、雇用に対してしっかり向き合っていきたい」

――燃費に関し、検査の結果、数字にばらつきがあったということだが、具体的にどの程度か。
小木曽社長
「先ほどの私の説明が少し分かりにくくて誤解を生んだかもしれない。燃費が、再度申請する場合にどれくらい変わるかというのは、データのばらつきというよりは、申し上げたかったことは、当然トラックのプロフィアの場合と、バスの場合とか、それぞれの車両でも様々な車系とか重量のカテゴリーがあり、同じ型式のエンジンでもいくつか車両型式ごとの届け出の値がある。その型式によって、変動が大きいものとあまり大きくないものがあるので、お客様から見ると、そのお客様の車の数字がどう変わるかが、車系によってちょっと異なっている。これを今、整理している最中なので、それを明確にして対応を進めるという意図だ。もし誤解を与えたら申し訳ない」

――認証試験は当時何人くらいが担当していたのか。人数が足りていたのか。そのへんの経営陣としての認識は。今回の不正を知らなかったとして、現場と経営陣の間の風通しについてどう認識しているのか。
小木曽社長
「当時の、平成28年規制の排気ガスの認証を受けていたが、開発と認証を一緒にやっていたから、パワートレイン実験という、組織そのものは370人ほどというデータが残っているが、これが人手として足りているのかいないのか、開発とかいろんなものを同時にやっているので、こういった部分も、もう少ししっかりと調べて、どういった部分がどのように問題であったか、考えているので、これからしっかり内訳を調べていきたいし、今、人を増やしながら、本部を分けているが、再発防止が完全にできているのかは、組織を分けたから終わりというわけではなく、人がちょっと増えたからいいというわけでもなくて、しっかりと見ながら、対策を続けていきたいと考えている」

下会長
「風通しの件、私どもにとっても大変大きな課題だと思う。今回こういう不正が起きた、そして起こしてしまった人がどうしてそれを上げられなかったということについて、これは風通しという言葉だけではなくて、本当にわれわれの仕事の進め方、それから本当に現場のリソース、実力を知った上での様々な計画になっていたかを含めて、今後同じ過ちを繰り返さないためには大変大きな課題だと思っている。特別調査委員会の中で、真陽をこれから確認する中でも、やはりフォーカスを当てるべき部分だと思っている。一概に今の時点で、その時は駄目だった、今はどうというふうには言えないが、やはりここに何らかの課題があったと認識している」

――今回、リコールの対象になる可能性がある車の数は、最大で約11万5500台との理解でいいのか。今回の件が役員レベルに上がってきたのはどのタイミングか。グループの長が不正を分かっていながらずっと隠していたということなのか。
小木曽社長
「リコールは、燃費に関しては実力の数値に燃費の値を変えるということなので、市場の処置には、リコールに当たらないと思う。処置が必要なのはHC-SCRの中型トラックの日野レンジャー、4万3044台が対象の台数になると思う。全てこれがあるのかといった、詳細な検討は大至急していく」

下会長
「日野としての台数はこれだけだが、トヨタのコースター、大型のバスについてはいすゞのガーラが対象。本日それぞれの会社の台数についてはお答えできない、申し訳ない。今回の経緯は、北米、これも当社社員からの内部告発でもなんでもなく、社員に対して答えていたということだが、その中から日本の調査対象を拡大してというのは、当時私が社長だったが、私がリーダーで調査を開始した。不正が分かるまで様々な確認試験をやり、時間がかかったが、どこかから出てきたのを後から役員が聞いたということはなく、外部の弁護士の方にも入っていただき、できるだけ客観的な、自主的調査をしていく中で、課題を見つけたということ」

――最初のリコールの対象になる部分で、大型エンジンについては操作パネルを設定して、良く見えるようにしたという不正だったが、相当大変な事実だと思うが、これは問題ないからリコールの対象にならないとの理解でいいのか。
小木曽社長
「これは大変大きな問題で、出荷停止だし、再度申請し直すということ。燃費についても、不正行為で正しい燃費値に書き換え、申請されていないので、実力の燃費を正しく試験して、それに応じた届け出の形になると思う。それで、リコール処理と申し上げているのは、ハードウェアを変える形をずっとイメージしてお話させていただいていたので、ハードウェアの何かを交換するというよりは、車両の登録そのものが燃費値として違っていたところを正す手続きは必要なので、これをリコールと呼ぶかどうかということはあるが、ご指摘のように燃費値が違っていたことを正す手続きは必要と認識している」

――大型エンジン搭載の車両は、リコールしないのか。
小木曽社長
「リコールという趣旨だが、少し繰り返しになってしまうかもしれないが、大型エンジンの2機種については、燃費値を正しく取り直したものを申請し、そこに合わせた届けに変え、おそらく優遇税制を受けていた車両については、新しい燃費値になると税制が変わる場合があるので、そちらについても、当社でお支払いする手続きをする」

――つまりエンジンの交換は必要ないということか。
小木曽社長
「交換するというよりは、実力の値に燃費値を修正させていただいて、それへの影響への対応をさせていただく形になる」

――小型のディーゼルエンジンについては問題ないのか。
小木曽社長
「小型のN04Cのトラック用のエンジンということであれば、現在問題は発見されていない。再点検の結果も、問題は発見されていないので、そういった課題はないと考えている」

電動化などの環境変化は不正行為に全く影響していない

――トヨタにはいつ報告し、どういったやりとりがあったか。電動化など環境変化でいろいろ投資を広げたり、仕事が多くなったりしたことが不正に結びついたということはあったのか。
下会長
「トヨタへの報告は、当然日頃から日野の経営課題で重要なことについては適宜報告している。本件に関しては、米国で工場が止まった時、直接的に今回の件と関係はないが、そういったタイミングでは報告している。また、今回の不正の中で言えば、トヨタのコースターに影響が出ている。これについては21年11月時点で、影響の可能性がありそうだと報告した」
「今回の不正に関しては、そういったことはまったく影響していないと思う。そういったこと以前の問題であると認識している。そういった意味でも今回の事案に対しては、メーカーとしては大変申し訳ない、大変厳しい事案であると考えている」

――トヨタから今回の不正を受けて、人員が日野に派遣されたり、調査したりといったことはあるのか。
下会長
「やはり、商用ユースで使っていただいているお客様が相手なので、トヨタからもまずはお客様の稼働の維持、そして今後様々な対応をしていく中で、まずお客様第一に考えるということ。われわれもそういう思いなので、そういった意味では同様の思いのやりとりをさせていただいている」

小木曽社長
「下から今説明があった通りだ。親会社のトヨタが、今回の件については、お客様に向き合い、お客様への影響を最小限にするようにという会話をしっかりいただいている。今、カーボンニュートラルの話があったが、電動化に関してはトヨタグループとして連携を深めてやっていく部分はたくさんあるので、それについては、今回の案件とは別に、人材交流をして、グループとしての総力を高めていければいい。そういった活動は別で進めている」

――平成28年(16年)の排気ガス規制対象エンジンについて調査しているとのことだが、販売されている対象で見ると、2017年5月のプロフィアが最初のエンジンだと思う。そういったことを考えると、今調べているものについては、16年のいつから以降の試験について、不正行為を確認したと言えるのか。
下会長
「平成28年規制の車の認証試験をやったのは、A05Cのマフラーを途中で交換したというには2016年9月。大型エンジンの燃費については、A09Cが16年11月、E13Cが16年12月だ」

――三菱自動車の不正発覚で国から報告を求められた時に、平成28年の排気ガス認証のタイミングと少し時期がずれているという話があったが、報告を求められていたのが4月だが、実際に不正が最初にあったのが16年9月という意味か。
下会長
「そういった意味で申し上げた」

――平成28年の規制より前のエンジンは今後調査するとの話だったが、リコール対象台数が広がる可能性があるということか。
小木曽社長
「今現在、調査が全ては終わっていないので、結果によって判明する内容に影響はあると思う」

(藤原秀行)

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