太陽光発電設備導入し自家消費分をカバー、外部に環境価値販売も
オリックス不動産は3月25日、埼玉県松伏町で2019年3月に完成した物流施設「松伏ロジスティクスセンター」(松伏LC、延べ床面積7万7372平方メートル)で、施設内に導入した太陽光発電設備を活用し、100%再生可能エネルギー由来の電力供給を同日開始したと発表した。
施設所有者が敷地や屋根などのスペースを発電設備の設置場所として提供し、発電事業者が運用・保守を担いながら現地で生み出した電力を施設利用者へ供給する「オンサイトPPA」の仕組みを採用。オリックスグループが松伏LCの屋根に1713キロワットの太陽光発電システムを設置・運営し、作り出した電力を施設内で自家消費する。オリックス不動産が物流施設で100%再生可能エネルギー由来の電力供給を始めるのは松伏LCが初めて。
松伏ロジスティクスセンター(以下、写真はいずれもオリックス不動産提供)
夜間や悪天候で太陽光由来の電力が不足する場合、オリックスグループが他の再生可能エネルギー発電所で作り出した電力の環境価値を、どの発電所で発電したかを追跡(トラッキング)できる「トラッキングFIT非化石証書」の形にしてテナント企業に販売。テナント企業が松伏LC内で100%再生可能エネルギー由来の電力を使ったとみなせるようサポートする。
松伏LC内で使いきれず余った電力はFIT(固定価格買い取り制度)や、発電事業者が再生可能エネルギー由来の電力を卸売市場で売電した後に政府が一定の補助額を売電額に上乗せするFIP制度を活用して外部に売る。
オリックス不動産はそれぞれの取り組みにより、松伏LCでCO2排出量を年間約970.8トン削減できると見込む。
オリックスグループは1995年、環境事業に参入し、太陽光発電システムは国内で約1000メガワットの設置実績を重ねている。オリックス不動産はオリックスグループと連携し、今後開発を進めていく13の物流施設全てを松伏LCと同じく「100%CO2フリー倉庫」化していく計画だ。
「100%再生可能エネルギー由来」のスキーム
倉庫部
カフェスペース
屋外テラス
(藤原秀行)