内閣官房と国交省がガイドライン改定
内閣官房と国土交通省は3月31日、ドローンを活用した荷物配送に関するガイドラインを公表した。
2021年に取りまとめたガイドラインの内容を改定し、安全性や収益性を担保するため、荷物配送を担う事業者らが考慮すべきポイントを列挙。新たに荷物配送サービスの収益性確保のため、先進機器を使って省人化と飛行の安全確保を両立できたケースを紹介、これからドローン物流の展開を目指す関係者に役立ててもらうことを意識している。
ガイドラインは事業コンセプトの構築に当たってはまず地域が抱える課題を整理した上で解決方法としてドローンが有効かどうかを確認。その上で利用者の視点に立ち、いつ、どこへ、何を運ぶかなど活用方法の具体化を図るようアドバイス。従来の姿勢を維持している。
併せて、サービスを利用する層の明確化や具体的なサービス提供体制、地元の自治体や住民の理解と協力を得る方策などを検討していくことを提案。事業推進へ多岐にわたる関係者の間で意見調整を図る「プロジェクトマネージャー」を置くことが望ましいとの見解をあらためて示している。
採算性の確保のために、技術導入による省人化や多頻度運行を提案。落下などの事故に備えた損害保険加入も求めている。
事例集として、山梨県小菅村でエアロネクスト、長野県伊那市でKDDIがそれぞれ参加しているドローン物流の概要を公表。併せて、プロジェクトマネージャーがリーダーシップを発揮したケースとして長崎県五島市が地方自治体などとの調整に尽力したことに言及している。
人件費削減の事例としては、大分県津久見市で実証事業を展開した際、ドローンに設けた監視カメラの活動などで、飛行ルート周辺の安全確保を果たし、配置すべき人数を抑えて省人化を達成したことを紹介している。
セイノーホールディングスとエアロネクスト、住友商事が今年2月に千葉県勝浦市で行ったドローン物流の実証実験
(藤原秀行)