岩谷産業が東京ガスグループのLPガス卸売会社買収、配送効率化目指す

首都圏で顧客増やし、コスト削減へ

岩谷産業は4月28日、東京ガスグループの東京ガスリキッドホールディングス（HD）とINPEXが共同出資している、LPガスの卸売などを手掛ける東京ガスエネルギーを買収すると発表した。

6月までに岩谷産業が東京ガスエネルギーの全株式を取得、完全子会社化する。取得額は開示していない。

　
　

東京ガスエネルギーを傘下に収め、首都圏を中心にLPガス配送の効率化を図る。併せて、東京ガスリキッドHDと東京ガスエネルギーの両社が株を保有している、LPガスの配送業務を手掛ける東京ガスLPGターミナルの株式についても、東京ガスリキッドHD保有分の全てを取得、傘下に収める。

岩谷産業は1953年に全国で初めて家庭用プロパンガスの全国販売をマルヰプロパンのブランドで開始。現在は北海道から沖縄県まで全国320万世帯の顧客にLPガスを配送している。

東京ガスエネルギーは1960年に東京ガスのLPガス販売会社として設立されて以降、関東・首都圏地域でLPガス供給を担っている。エネライフブランドで特約店と連携した販売ネットワークも構築している。

子会社化により、首都圏でLPガス利用の顧客を増やし、一度に届けられるLPガスの数を拡大して配送コストの低減につなげることを目指す。今後は業務用・工業用の省エネや災害対策の提案、災害対応強化、新サービスの開発などにも共同で取り組む予定。

■東京ガスエネルギーの概要

（藤原秀行）