帝国データ調査、コロナ禍から経済活動再開で個人消費上向きなどプラスか
帝国データバンク(TDB)が5月9日公表した4月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が36.6で、3月の前回調査から1.2ポイント上がった。前月の水準から上昇したのは昨年12月以来、4カ月ぶり。
新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が全て解除となり、経済活動が再開され個人消費が上向いてきたことなどが景況感の改善につながったとみられる。
全業種ベースの景気DIも3月から0.4ポイント上がって40.8となり、小幅ながら2カ月続けて改善した。サービスなど10業界中、7業界が改善した。
TDBは今後の景況感について「円安によるコスト負担の増加が懸念されるも、緩やかな上向き傾向で推移する」との見方を示した。ロシアのウクライナ侵攻長期化が引き続き、懸案となりそうだ。
運輸・倉庫業のコメントを見ると、先行きに対し「円安の影響で輸出は進むはずなので好転に期待したい」(港湾運送)、「新型コロナウイルスの影響が薄まるほか、ウクライナなどの国際情勢も落ち着いていく」(一般貨物自動車運送)と前向きな声が出た。
一方、「新型コロナウイルスやウクライナ問題、為替の動向などが不透明」(普通倉庫)、「慢性的なドライバーおよび現業従事者の不足、燃料の高止まりなどネガティブ要因ばかりで見通しが暗い」(一般貨物自動車運送)との厳しい見方もあった。
調査は4月15~30日にインターネットで全国の2万4854社を対象に実施、45.3%の1万1267社が回答した。運輸・倉庫業は508社だった。
(藤原秀行)