アルペン、福玉と連携し愛知・大口町に4.3万㎡の大規模自動化物流拠点開設へ

アルペン、福玉と連携し愛知・大口町に4.3万㎡の大規模自動化物流拠点開設へ

24年初旬稼働開始予定、村田機械製のシャトル自動倉庫など導入し省人化6割効果見込む

スポーツ用品販売のアルペンは6月22日、迅速かつ効率的な供給ができる物流システムの構築を目指し、福玉と連携して愛知県大口町に延床面積4万3000平方メートルの大型倉庫「大口ディストリビューションセンター」を開発すると発表した。稼働開始は2024年初旬を見込む。

新倉庫は村田機械の国内最大規模の搬送機器「シャトル型自動倉庫」と、省スペースで高能力を実現した仕分け機「クロスベルトソーター」を導入。最新マテハン導入による物流業務削減の省人化効果は既存対比で6割と想定している。


新倉庫の完成イメージ(以下、いずれもアルペン提供)

アルペンはアパレル、シューズ、小物(フィットネス用品やサポーターなど)、大物(キャンプ用品やゴルフキャディバッグなど)と、非常に幅広いカテゴリの商品を取り扱っているため、各商品を効率良く正確に仕分け、店舗に届ける上で様々な課題を抱えていた。

そのため、カテゴリ別に物流網を再整理し、効率的で無駄がなく変化に柔軟に対応できる強固な物流網を構築することを軸とした新物流戦略を立案、実行している。

第1弾として、2021年に大物・小物カテゴリの専用倉庫「小牧ディストリビューションセンター」を稼働させており、小物倉庫では日本初導入となる3Dロボット倉庫システムALPHABOT(村田機械製)を同年11月から運営している。

大口ディストリビューションセンターは第2弾と位置付けており、アパレル、シューズカテゴリの専用倉庫と設定。アパレルとシューズを1つの拠点に集約することで、投資を集中させられるため、高いコスト効率と投資効果を生み出すと期待している。

新倉庫開設で、
① 店舗までの供給リードタイムの大幅短縮化
② 売場/ブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業簡素化
③ 出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化
の効果を予定している。

アルペンは「今後も多品種、小ロット化、ECの需要増を含めて、お客様の多様化するニーズに継続的に応えていくため、物流への積極的な投資を行う」と説明している。

大口ディストリビューションセンターでは、1階に設置するシャトル型自動倉庫と、3階に設置するクロスベルトソーターを、自動倉庫の入出庫装置で直結させる。自動倉庫からの商品の出庫、オーダー商品のピッキングとソーターへの投入、ソーターでのオーダー別仕分けまで、一連の工程がシームレスにつながるとみている。

従来の手作業によるオーダー商品のピッキング・仕分け運用に比べて「探さない・歩かない・運ばない」を達成。さらに、出荷ケースの自動製函機や自動封緘機、自動サイズ計量器などの機器も導入。自動化レベルの高いラインを構築し、約60%の作業工数削減を実現する計画だ。

シャトル型自動倉庫は、保管棚の各段を走行する搬送台車が商品ケースを搬送し、入出庫装置を経由してピッキングステーションに届ける仕組み。各段に搬送台車があるため、時間当たりの入出庫能力が高いのが特徴。また一定範囲内の荷姿であれば自動移載できるフリーサイズ対応で、様々な商品ケースに柔軟に対応できる。

今回は棚1間口に奥行2列で商品ケースを保管できる最新型のダブルディープタイプを採用、アルペンが扱う多様な商品アイテムを高密度に保管する。大口ディストリビューションセンターのシャトル型自動倉庫は全長100メートル超で、シャトル型自動倉庫としては国内最大級の約10万ケースが保管可能という。

クロスベルトソーターは、水平方向の移載にベルトコンベヤを使用した自動仕分け装置。様々な荷姿を安定して仕分けられるため高速で運用でき、時間当たりの仕分け能力が高いのがメリット。

国内最高クラスの出荷能力をコンパクトなスペースで実現した大口ディストリビューションセンターは、将来のマテハン機器の増設も容易な計画で、アルペン新物流戦略を中長期で支える物流センターを目指す。

【マテハン概要】
・シャトル型自動倉庫 7系列 棚総数8,328棚
 搬送台車:84台
 保管能力:49,488~99,456ケース
・クロスベルトソーター 全長364m
 投入ステーション:36カ所
 仕分け間口:404間口

(藤原秀行)

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