「2024年問題」に対応、メディカル領域での実用化目指す
安田倉庫と子会社の安田運輸は7月13日、業務提携先の中央倉庫(京都市)と組み、日本トレクス(愛知県豊川市)、フジトランスポート(奈良市)の協力も得て、国内初の冷蔵温度帯でスワップボディコンテナを使った輸送の実証実験を実施したと発表した。
6月29~30日に、日本トレクスの「スワップ冷凍フラットパネルバンボデー」を活用し、安田倉庫の守屋町営業所、コネクトエリア浜松、中央倉庫㈱京都PDセンターを中継場所としてコンテナを交換しながら中継輸送した。
コンテナはシャーシを切り離しての冷凍機運転が可能。冷蔵温度帯での中継輸送を実施した。
スワップボディコンテナ車両は、車体と荷台を分離できるため、分離中に荷役作業が可能。安田倉庫はトラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」を前に、スワップボディコンテナ車両の導入は待機時間減少による残業時間削減や中継輸送による日帰り運行の実現、荷役分離の効果による女性ドライバー活用促進や労務環境改善による定着率の向上などの効果が見込めると説明。
荷役分離でドライバーが輸送業務に集中できるため、輸送品質の向上や輸送の安全が確保され、CSRの向上を図ることも可能とみている。さらに、中継輸送はトラックの走行距離や待機時間のアイドリングが削減されCO2排出量を抑える効果が見込まれる。
ただ、冷凍・冷蔵輸送が可能なスワップボディコンテナは海外では存在しているが、国内はまだ活用されていないかった。
今回の実証実験では、コンテナを活用し、GDP(医薬品の適正流通基準)に準拠した温度マッピングで安田運輸横浜営業所(神奈川)から安田倉庫茨木営業所(大阪)までの冷蔵温度帯での中継輸送を実現した。コンテナは冷凍・冷蔵機能に加えて温度調整機能も備え、マイナス25℃からプラス25℃の範囲で庫内温度を調整できる。冬期や寒冷地といった低温度環境下における設定温度帯での輸送にも対応する。
安田倉庫はコンテナを医薬品などメディカル領域の輸送で活用したい考え。今後も実用化を目指し、実証実験を継続する予定。
(藤原秀行)