港湾労働者不足対策、先進技術活用した技術継承支援や労働負荷軽減など積極的に推進

港湾労働者不足対策、先進技術活用した技術継承支援や労働負荷軽減など積極的に推進

国交省が行動計画公表、事業者間の協業促進も

国土交通省は7月22日、港湾運送が深刻な人手不足に見舞われている現状への対策を盛り込んだ「港湾労働者不足対策アクションプラン」を公表した。

港湾運送事業者を対象とした2020年度の意識調査で、港湾労働者不足が港湾運送に影響していると答えた割合が4割に達したことなどを重視。先進技術を活用した技術継承支援や労働負荷軽減などを積極的に進める方針を打ち出している。

アクションプランは、まず港湾の仕事の内容を多くの人に知ってもらうため、日本港運協会が動画・PR素材を作成し、国交省が後援・協力することや、港で働く人たちと国の職員との懇談会を開催し、情報発信することなどを盛り込んだ。

さらに、「働きやすく、働きがいのある職場の確保」として、女性や高齢者らも働きやすい労働環境の整備に関する取り組みの事例集を作成、周知。遠隔操作RTG(タイヤ式門型クレーン)の導入支援や、ガントリークレーンの操作技術の継承支援などAIを活用して港湾荷役スペシャリストの業務を支援し、コンテナターミナルの生産性向上・労働環境整備を実施することもうたっている。

このほか、港湾運送事業の中で他の種類の港湾運送事業を行う事業者や、他の港湾の事業者との協業を容易にするため、協業を目的として新たに港湾運送事業の許可を受ける場合の基準を弾力化。事業協同組合の活用や荷役機械の共同化による協業の促進も図る。

併せて、今年2~3月に実施した、港湾運送料金と取引条件・商慣行のアンケート調査結果を基に、2022年度中に通達改正など必要な措置を講じるとともに、船社・荷主に対する周知と協力要請を行う方針を示している。

(藤原秀行)

アクションプランはコチラから(国交省ホームページ)

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