独メトロの日本撤退に伴う旧店舗を改修、22年末に工事完成見込む
プロロジスは8月3日、東京都江東区辰巳で都市型賃貸用物流施設「プロロジスアーバン東京辰巳1」の提供を開始すると発表した。
「プロロジスアーバン東京辰巳1」は、飲食店やホテルなどの飲食業に携わる「食のプロフェッショナル」を対象に、卸売り市場を展開する独メトロの日本法人メトロキャッシュアンドキャリージャパンが日本市場から昨年撤退したのに伴い、店舗として使用していた施設をプロロジスが改修し、全館空調付きの冷凍冷蔵対応の施設として運営する。
商業施設を賃貸用物流施設にコンバージョンするのは、プロロジスとして初めて。8月からリノベーション工事に着手し、同年末頃に完成する予定。8月下旬には現地での内覧会の開催を計画している。
「プロロジスアーバン東京辰巳1」改修イメージ(プレスリリースより引用)
同施設は東京駅から5キロメートル圏内に位置。人口増加が著しい豊洲、東雲、台場の各エリアと近接している立地特性を生かし、冷凍・冷蔵対応の食品関連拠点としての利用に加え、様々なビジネス拠点としての用途が期待できると見込む。
プロロジスでは郊外に立地する大型の先進的物流施設「プロロジスパーク」に加えて、2020年より「プロロジスアーバン」の提供を開始。「プロロジスアーバン東京辰巳1」は品川区、足立区、大田区、墨田区などに続くシリーズ第6弾となる。
「プロロジスアーバン東京辰巳1」は、JR京葉線の潮見駅から徒歩10分地点に立地し、首都高速9号深川線の枝川出口より約1.5キロメートル、首都高速湾岸線の新木場出入口より約4.3キロメートルと、都内全域への車両でのアクセスにも優位性を持つ。都心部の商業施設への店舗間配送や、ECフルフィルメント拠点、ダークストアとしての利用ニーズが想定されるほか、城東エリアへの即日配送やラストワンマイル配送拠点としても理想的と想定している。
地上3階建て、延床面積約9300平方メートルの既存施設をフロア単位(最小約600坪)で賃貸可能なマルチテナント型物流施設として改修。施設全体で5基の人荷用エレベーターと、各階アクセスが可能な屋上まで自走できるスロープを備え、搬送能力も高める。
1階は空調を備えた倉庫スペースで、有効天井高は約4.8メートル、床荷重は1平方メートル当たり2.0トンと重量物にも対応可能なスペックを持たせる。2階の一部と3階は、冷蔵冷凍に対応した倉庫スペースで、有効天井高は2階が最大約4.2メートル、3階が約2.9メートル。
また、1階と2階にそれぞれトラックバース2台分(計4台分)を確保し、スロープを利用して4トントラックが1階から2階へ直接アクセスできる構造(3階と4階は普通乗用車のみ)で、効率的な物流業務を支援。屋上部分と敷地内には合計79台の乗用車・軽貨物車を駐車可能な駐車場を備え、多数の営業車両や貨物車両の保管対応が可能と見込む。
「プロロジスアーバン東京辰巳1」計画概要
名称 | プロロジスアーバン東京辰巳1 |
開発地 | 東京都江東区辰巳2丁目4-10 |
敷地面積 | 約5,800㎡(約1,800坪) |
延床面積 | 約9,300㎡(約2,800坪) |
構造 | 地上3階建・S造 |
改修工事着工 | 2022年8月 |
工事完了予定 | 2022年12月頃 |
(藤原秀行)