東京建物が千葉・習志野で開発の2.1万㎡物流施設竣工、アドレス通商と信濃運輸で1棟全体利用へ

東京建物が千葉・習志野で開発の2.1万㎡物流施設竣工、アドレス通商と信濃運輸で1棟全体利用へ

廃PETボトル活用した舗装を採用、環境負荷低減

東京建物は8月10日、千葉県習志野市茜浜で、自社開発する物流施設T-LOGI(ティーロジ)シリーズの第5弾「T-LOGI習志野Ⅱ」が6月末に竣工したと発表した。

地上4階建て、延床面積は2万1374平方メートル。国内メーリングサービス・物流サービス・人材サービス大手のアドレス通商と信濃運輸が1棟全体を利用する。


「T-LOGI習志野Ⅱ」鳥瞰写真

東関東自動車道の谷津船橋ICから約1.9キロメートルに位置し、首都高速湾岸線を利用した都心向け配送にとどまらず、東関東自動車道・京葉道路を利用した広域配送まで幅広い形態で利用が可能。関東有数の物流集積地の茜浜エリアの中で、最も駅に近い場所に位置し、JR京葉線の新習志野駅は徒歩圏内のため、雇用確保にも強みを持つとみている。


「T-LOGI習志野Ⅱ」広域図・周辺図

敷地内のトラック車路を充分に設け、トラックの周回が可能な建物配置計画と両面バースを採用。茜浜エリア特有の通過型荷物に対応した利便性の高い施設にする計画だ。さらに、1階倉庫区画内の壁を可能な限り最小限に抑え、従業員の視認性を高め、倉庫内業務の作業性を高めている。

環境負荷削減策として、外構のアスファルト舗装面積2068平方メートルには、廃PETボトル約4万5700本から生成されたアスファルト改質剤を添加した日本道路の「スーパーPETアスコン」を採用。従来の半たわみ舗装・アスファルト舗装に比べ、耐久性・ドライバーの区画線の視認性の面で優位となる新たなリサイクル技術を活用している。

併せて、屋上には太陽光パネルを設置し、発電した再生可能エネルギーを施設内で自家消費する。余った電力は一般送配電事業者の送配電網を用いて、東京建物が所有する施設に「自己託送」の仕組みを用いて送電、再生可能エネルギー最大限有効活用する。


自家消費と自己託送のイメージ

自家発電・自家消費の仕組みにより、環境に配慮した施設の証「BELS(建物省エネルギー性能表示制度)」最高ランクの「ZEB」認証と、「CASBEE」でAラン
クをそれぞれ取得済み。

従前より緑化率が比較的高かった本物件の土地の特性を生かすため、施設の顔となるエントランス全体を緑化し、従業員にとって居心地が良いと感じられるデザインにした。事務所は全て大型窓を採用することで、採光を確保し、従業員にとって快適な空間になるよう腐心している。


エントランス

倉庫区画内にはアイリスオーヤマの人感センサー付照明「ライコネックス」を導入。スイッチの位置に関わらず、人を感知して倉庫内の照明を点灯・消灯させ
ることが可能になるため、従業員の利便性の向上に寄与すると見込む。さらに、作業頻度の高いエリアと低いエリアで照度・点灯時間などを柔軟に変更することができるため、省エネルギーを実現して環境負荷の低減につながる見通し。


人感センサー付照明 イメージ(いずれも東京建物提供)

■物件概要

物件概要 竣工 2022年6月末
所在地 千葉県習志野市茜浜三丁目4-3(住居表示)
交通 東関東自動車道「谷津船橋」IC 約1.9km
JR京葉線「新習志野」駅徒歩約16分
敷地面積 約9,609㎡(約2,907坪)
延床面積 約21,374㎡(約6,400坪)
規模 地上4階
形状 4層ボックス(1F両面バース)
設計 株式会社フジタ
施工 株式会社フジタ
構造 RC/S造
耐震区分 新耐震
倉庫仕様 プラットフォーム 1階:高床式1.0m
梁下有効天井高 各階5.5m
柱スパン 10m(W)×11.55m(D)
床荷重 各階1.5t/㎡
ドッグレベラー 1階:4基
垂直搬送機 各階2基(1.5t)
最大荷姿:1700W×1500L×2500H
(パレット含む)
人荷用EV 各階2基(3.5t)
3000W×4000D×3150H
バース数 25台
駐車場 普通車計33台

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事