三井倉庫HD、国内外輸送のCO2排出量簡易算定ツール関連技術で特許出願

三井倉庫HD、国内外輸送のCO2排出量簡易算定ツール関連技術で特許出願

特別な専門知識なくても利用可能、入力工数の負担も軽減

三井倉庫ホールディングス(HD)は8月23日、自社のホームページ上で無料公開している、国内外の輸送時に発生するCO2の排出量を簡易算定するツール「SustainaLink Emissions Calculator(サステナリンク・エミッションズ・カリキュレーター)」の関連技術について特許を出願したと発表した。

同社グループは物流を通じて顧客のサプライチェーンを持続可能なものとするよう支援するサービス「SustainaLink」で、「知る」「見える化する」「改善する」の3ステップで顧客の「環境リスク」「労働力リスク」「災害リスク」に関する課題解決を目的としたソリューションを提供している。新たなツールの開発は環境リスクの見える化に関する取り組みの一環。

サプライチェーン上のCO2排出量可視化に対するニーズは近年高まっているが、輸送時の排出量の計算は専門知識や様々な条件の考慮が必要で、算出が煩雑だった。新ツールは課題を解決し、誰もが簡単にCO2排出量を計算できるようにするとともに、計算結果を輸送手段ごとに比較・分析しやすくすることで、社会全体のCO2排出量削減の取り組みを加速させることを目指している。

特許の概要
発明の名称
温室効果ガス排出量算定装置、温室効果ガス排出量算定装置の制御方法及びプログラム
出願番号
特願 2022-132196

発明の概要
顧客がツールに入力する情報を「貨物重量」「輸送手段」「出発/到着地」の3つに限定。入力補助のため入力候補のサジェスト機能や地図上から直感的に地点を選択できる機能を実装した。特別な専門知識や予備知識がなくても排出量算定を行える上、入力工数の負担も軽減できる。
また、算定結果の出力画面では、輸送手段ごとに、輸送ルートとその輸送ルートに対応したCO2排出量を地図や表、グラフで可視化。CO2排出量の算定結果を容易に理解し、輸送手段ごとの比較も行えるよう配慮している。
物流を通じて顧客のサプライチェーンが持続可能なものとなるよう支援するサービス「SustainaLink」は、新ツールを用いたCO2排出量算定のほか、大量の輸送データのCO2排出量算定に対応した個別サービスの提供も行っている。その際、CO2排出量算定は関連法令や国際基準に基づいており、第三者機関による妥当性評価を取得済み。

(藤原秀行)

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